Black Rams - RICOH RUGBY FOOTBALL TEAM -

プレマッチ 対 三洋電機ワイルドナイツ戦

2007.10.16

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秋の稲穂が垂れ下がる、三洋電機ラグビーグラウンド。ブラックラムズは群馬県太田市のアウェイ・グラウンドに乗り込み、三洋電機ワイルドナイツとのプレマッチを40分×3本、行った。秋深まる少し手前、トップリーグ開幕前最後の一戦だった。

「開幕戦を意識した」(佐藤寿晃監督)メンバー構成で行われた1、2本目間のハーフタイム、円陣中央に立つ伊藤鐘史主将はメンバーに声をかけた。「とにかく4トライ!」。トップリーグでは、勝敗に関係なく4トライで勝ち点1が与えられる。プレマッチに臨むベクトルも、いよいよ“本番モード”だった。

1本目はワイルドナイツのリードで終えた。立ち上がり直後から、ブラックラムズは自陣ゴール前でキックチャージされ、ワイルドナイツSOトニー・ブラウンにトライを奪われた。その後も試合後の佐藤監督が課題に挙げた密集近辺を、ワイルドナイツFW陣がパワーで制圧した。9分にはゴール前ペナルティーのピック・アンド・ゴーから、23分にはゴール前中央ラックを起点とした展開から、34分にはゴール前スクラムから、計4トライを献上、ロスタイムにはトニー・ブラウンによるPGも決められた。スコアは0対31。

伊藤は述懐する。

「トニー・ブラウン(ワイルドナイツSO)のキックでエリアが確保できず、(ポイントの)近場を攻められた。そしてFWの近場でパワー負け。相手はこっちのラックを全部捨てていて、ディフェンスの人数が揃っていたんです。それなのにこっちはBKに出してしまっていた。そういう時は一旦FWが近場を攻めてフローターを消さないとダメだったんですけど、相手の圧力を受けてしまっていた……」

それを受けてのハーフタイム。アグレッシブに攻めて、トライを取りに行くしかない、風上の2本目に向けて、こう発破をかけたのだった。

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キックオフから怒涛のプレッシャー。2本目は立ち上がりから圧力をかけ、3分には先手となるトライをブラックラムズが奪う。敵陣右エリア22メータライン付近でのラインアウトから左に素早い展開、SO河野好光、CTBブライス・ロビンスと繋ぎ、最後はCTB金澤良がインゴールに飛び込んだ。さらに15分、敵陣左エリア10メータライン付近のラインアウトから展開されたボールを受けたFB小吹祐介が快足を飛ばし、ビッグゲイン、最後はサポートに入ったWTB池上真介が2トライ目を奪った。

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2本目に入り、スクラムが「修正された」(伊藤)。FW戦で互角に戦えるようになったことで、スピード感あるBKが活きたのだ。ブラックラムズは続けて30、35、42分と目標よりもひとつ多い、計5トライを挙げた(それぞれ磯岡和典、ブライス・ロビンス、池上真介)。さなかに7、10、25分とワイルドナイツにもトライを奪われるが、2本目のスコアは33対19。「(2本目は)エリアが取れた。途中から入ったブライス(・ロビンス)、シュウペリ(・ロツコイ)がインパクトプレーヤーのようになった」(伊藤)。

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しかし3本目はワイルドナイツに再び圧倒される。立ち上がりこそ安定した守備を見せるが8、22、26、32、40分に続けてトライを奪われた。最後はCTBに入った新外国人ショーン・ラダーがトライを奪うが、7対31。3本総計のスコアは38対86で終わった。試合後の円陣、いつも欠かさぬ「お疲れさん」の一言に続けて佐藤監督が言った台詞は、「課題を見つけさせてもらった」だった。こう述懐する。

「三洋さんはワイド(攻撃)のチームだったが、今年は(密集の)近場でもいけるようになっていた。激しさ、速さが上回っていました」

さて、開幕まであと2週間、最後はとにかく「カラダを当てる練習」(佐藤監督)に注力する。あれもこれもと手を付けず、ワイルドナイツ戦で一番の反省点にターゲットを絞るのだ。

伊藤は言う。

「開幕?楽しみですね。自分が一番懸けているものが始まるわけですから」

戦に心血を注げる時期への期待、言い知れぬ勝負への恐れ――人によってさまざまだが、 “開幕”には何かを感じさせる響きがある。

ファンへのメッセージを求められた佐藤監督はこう言った。

「開幕戦は、秩父宮を黒く染めましょう!」

(文・向 風見也)

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