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レポート

2011-2012 トップリーグ 第13節 対 トヨタ自動車ヴェルブリッツ

"この先"を懸けたトヨタとの激闘

 "この先"に進むには、互いにトライを狙う必要があった。

 リコーはボーナスポイント1を取れば8位以内が決定。対するトヨタ自動車ヴェルブリッツ(トヨタ)も、ボーナスポイントを挙げての勝利が8位以内の可能性を大きく広げる状況にあった。その状況は予想した通り、そのままゲームでの激しさとして表れた。


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 13時、名古屋市瑞穂公園ラグビー場で始まったトップリーグ第13節のトヨタ戦は、接点での激しい攻防で幕を開ける。

 SOタマティ・エリソンのキックオフボールの処理でトヨタがノックオン。リコーはいきなり敵陣22mラインの内側でスクラムを得る。だが、SH池田渉がブラインドサイドにボールを出すと、NO.8マイケル・ブロードハーストが縦へ。ラックとなるが、ここでトヨタは激しさをみせ、ボールを奪い獲りターンオーバー。

 トヨタはインゴールエリアからキックを蹴り、エリア獲りに出る。タッチを割らず、リコーはボールを右サイドへまわし、FB横山伸一がカウンターアタックを仕掛ける。外をフォローしたWTBマーク・リーにつなぐと、リーは加速し、ギャップを抜けゲイン。22mラインの内側に侵入するが、駆けつけたディフェンスにつかまる。トヨタはまたも激しく絡み、リコーにノットリリースザボール。2度のブレイクダウンで2度のボール奪取。トヨタは、この試合に懸けていた。

 ペナルティキックでリコー陣内に攻め込んだトヨタは、左サイドのラインアウトを、最後方で合わせ、中央をダイレクトに突く。フェイズを重ね、右サイドを13番、14番が突き22mラインを越えてくる。

 ゴール前のラックで、今度はリコーがボール奪取。だが、キックを蹴るがノータッチ。トヨタは再びアタックを仕掛け、中央を8番が縦の突進。4分、リリースしたボール6番が拾うと、展開に備え広がったリコーのディフェンスを横目に、正面を突破。左中間にトライを決めた。コンバージョンは外れたが0対5とトヨタが先制。この試合に懸けたトヨタの気持ちが結果として出た。

 試合再開のキックオフからできた密集でトヨタがノックオン。スクラムでリコーにもミス。ノックオンでトヨタスクラムに。トヨタはスクラムから出したボールを蹴ってリコー陣内へ。リコーはこの処理で出足の良いトヨタのディフェンスにプレッシャーを浴びる。ハーフウェイライン付近でつかまりノットリリースザボール。

 トヨタはすかさずクイックリスタート。中央からの長いパスで左の12番へ。加速してギャップを突破するとそのままゴールラインに迫る。SOエリソン、CTB山藤史也がつかまえにいくが、12番が手を伸ばしグラウンディング、トライ。コンバージョンも決まり0対12。4分、7分と連続トライを奪って、この試合に懸けるトヨタが序盤のペースを一気に引き寄せた。


流れが変わった、WTB小吹のチャージ

 リコーは流れを変えた。きっかけはWTB小吹祐介の闘志溢れるプレーだ。

 キックオフボールを獲得しラックをつくったトヨタは、リコー陣内へのキックを狙ったが、鋭く飛び出したWTB小吹がチャージ。インゴールエリアに転がるボールを、そのまま押さえに走ったが、チャージしたボールは強く跳ね、デッドボールラインを越えた。

 トヨタの勢いを受けていた序盤だったが、このプレーでリコーは流れを断ち切る。
 ドロップアウトで試合再開。リコーはすかさずアタックを仕掛ける。SOエリソンのゴロキックで、ラインブレイクを図るが、これは拾われて、トヨタがタッチキックを蹴った。

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 リコーはハーフウェイライン付近左サイドのラインアウトを得て、これをキープ。中央でLOカウヘンガ桜エモシが突進しポイントをつくった。右サイドに展開し、今度はCTB山藤が鋭く縦を突く。ここはつかまったが前のプレーでトヨタのノットロールアウェイのアドバンテージが発生しており、リコーにペナルティキック。

 このチャンスに13分、タッチキックを蹴ったリコーは右サイド22mラインの内側でラインアウトを得る。NO.8ブロードハーストに合わせ、モールに。さらにラックに移行し、SH池田が左へ。SOエリソン、CTBマア・ノヌー、FB横山伸とつなぐ。一枚余った形でボールをもらった小吹は、左サイドのスペースを悠々走り左中間にトライ。SH池田渉が蹴ったコンバージョンは外れたが、リコーが5点を返し5対12とした。

 リコーはこのトライで、試合のリズムを奪った。この後の時間帯は、トヨタ陣内でプレーを続けた。セットプレーの安定性とキックの精度を保ち、試合をうまくコントロールし続けた。

 26分、CTB山藤の縦へのアタックで22mラインを越えると、ノックオンで一度は相手スクラムになったが、スクラムでプレッシャーをかけトヨタから反則を奪い返す。

 左サイド22mラインの内側のスクラムから、SOエリソン、CTBノヌーへ。ノヌーは一気に自分に寄せてきたディフェンダーの頭上を通すように、少し浮かせたパスを右中間のFB横山伸へ。横山もすかさず右のWTBリーへパス。リーが、そのままゴールラインを越えトライ。コンバージョンは外れたが10対12と点差を詰めた。

 前半30分過ぎ。再びトヨタが集中力を高め、リコー陣内に攻め込んだ。22mラインの内側でアタックを続け、リコーの防戦が続いた。CTB山藤らのビッグタックルでなんとかランナーを止め続けた。

 粘り強く攻めたトヨタは33分、右サイドゴール前のラインアウトからモールで前進。ゴールライン間近にラックをつくると、ラックのオープンサイドを6番が突く。さらにリリースしたボールを8番が拾って右中間にトライ。コンバージョンも決まって10対19とした。

 そして前半終了間際、リコーが前に出た。SOエリソンのキックオフを飛び出したWTB小吹がキャッチに成功。ここから攻めていく。ラインブレイクを狙ったSOエリソンのグラバーキックが相手に渡ったが、トヨタがタッチキックを蹴り、リコーはサイドハーフウェイライン付近のラインアウトを得る。

 これを展開し、右中間からFB横山伸が冷静にキックを蹴り、ゴール前までゲイン。ラインアウトをキープしたトヨタは再びタッチキックを蹴り、リコーは22mラインの手前でラインアウトを得る。

 もう前半の残り時間はほとんどなかった。ラインアウトをキープしたリコーは右から左へ展開。
 左中間でクラッシュしたCTBノヌーが鋭く縦に突破。歓声のなか、ディフェンスラインをかき乱すと、リコーはポイントをつくり今度は右へ。SOエリソンを経て、WTBリーが右サイドを突く。ゴールラインが迫るともう一度左へ。左中間のCTBノヌーから山藤、その後ろへ走りこんだノヌーがもう一度ボールをさばき大外のWTB小吹へ絶妙なパス。小吹は狭いスペースに詰めてきたディフェンスをハンドオフしながら粘り、引きずりながら右隅に飛び込んでトライ。
 コンバージョンも決まって、17対19で前半終了。この先を懸けたトヨタとの激闘は、後半勝負となった。


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