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レポート

2010-2011 トップリーグ 第3節 対 福岡サニックスブルース戦

サニックスの追い上げに、14人で耐えたリコーラグビー部

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 後半が始まると、NO.8ティーポレに替えて馬渕武史、WTBマーク・リーに替えてタマティ・エリソンがグラウンドへ。サニックスも前戦、前々戦の後半から出場しトライを挙げたWTBカーン・ヘスケスを投入し逆転への望みを託す。

 2分、グラウンド中央付近でリコーにハイタックルの反則。キックで前進したサニックスは右サイドのラインアウトから展開しアタック。この攻撃への対処で、HO滝沢佳之がハイタックルを犯しイエローカード。一時的退出処分が下る。リコーはLO相亮太に替えて一時的にHO森雄基を送り対応する。

 数的有利となったサニックスは5分、22mライン中央からのペナルティキックをタッチへ。ゴール前右サイドのラインアウトからモールをつくって押し、ブラインドサイドを1番が突破してトライ。コンバージョンは外れたが25対10と点差を詰める。

 「数的有利」「はやい時間でトライ」と、後半の入りを有利な展開としたサニックスだが、その勢いをCTBエリソンが止める。

 7分、キックオフのボールの落下地点へ突き進んだLOブロードハーストが、相手選手のプレッシャーにも屈せず左サイドでボールを確保。リコーはこれを展開しすぐさまアタックに移る。22mライン手前中央でボールを受けたCTBエリソンは絶妙のランコースを走り、右サイドをゲイン。ゴールライン手前で捕まるが、ボールごと押し出そうとする相手選手を倒れながらもピッチ外へといなし、逆にボールをグラウンド内に残す。サポート選手が追いつきラックに。キープされたボールはSH池田渉からSO河野へ渡り中央を突く。捕まったところでパスを出すと、反応したのは、しっかりラインに戻っていたCTBエリソンだ。細かく左右にステップを刻みグラウンド中央を縦に走り抜けトライ。コンバージョンも決まり、32対10。鮮やかなプレーにスタンドが沸いた。


マンオブザマッチは、WTB小松大祐

 後半に絶対的な自信を持つサニックスも攻める。9分、22m左サイドのラインアウトから、ワイドに展開する。ゴール前に迫ると、警戒を強めるリコーの黒いジャージにつつまれながらも、22番ヘスケスが前進。低く鋭いタックルもジャンプでかわし、右隅にトライ。コンバージョンは外れたが32対15。サニックスが食い下がる。

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 互いに反則でチャンスをつぶした後の18分、22m左サイドのラインアウトからリコーが展開。WTB星野、CTB金澤、エリソンとつなぎ攻撃する。ここでサニックスがオフサイド。SO河野が中央付近からペナルティゴールを決め35対15とする。

 それからはサニックスのラグビーを受けに回る場面が増えたリコー。ミスに救われながらしのいでいたが28分、左サイドのラインアウトから、ボールを動かしながらサニックスが繰り返しゴールに迫る。リコーはディフェンスに集中し、なんとかターンオーバーに成功する。

 しかし、敵陣中ほどに蹴り出したボールはタッチを割ったが、サニックスはすかさずクイックスタート。集中力が維持された鋭いカウンターアタックに、リコーはラインブレイクを許す。右サイドを抜けた15番が回りこみ中央にトライ。コンバージョンも決まって35対22。その差は13点に。

 33分、今度はCTBエリソンが反則で一時的退出処分。再び数的不利となったリコーにサニックスが再三攻撃を仕掛ける。34分にはゴール前まで攻め込まれグラバーキック。これにかろうじて追いついたFBラーカムがタッチダウンし逃れた。その後も自陣からボールを回しながらジリジリと前進するサニックス。リコーは相手の細かなミスに救われたのと、FBラーカムの正確なキックでラインを押し戻し、時間を使うことに成功した。

 サニックスはリコー陣内10mライン付近で40分経過のホーンを迎えたが攻撃を継続。ラインを前進させ、最後は8番が左中間にトライ。コンバージョンも成功したところでノーサイド。リコーラグビー部は、35対29で今季TL初勝利を挙げた。4トライを記録しボーナスポイントも獲得し、計5点の勝ち点を得た。マンオブザマッチは、WTB小松大祐が獲得した。


「サニックスは前半と後半で別のチームのようだった」
そんな声が聞こえてくるほど、後半にペースをつかんだサニックスの攻撃は、自信と集中力に満ちていた。その相手にリコーラグビー部は、約半分の時間を14人で立ち向かい、苦しみながらも勝利をつかみとった。2試合続けて良いパフォーマンスを維持したという点でも、成長の証と言える1勝である。

 試合を前に、トッド・ローデン監督兼ヘッドコーチは選手たちに個性をチームの性質の中で発揮するよう告げたという。

「常に100%を出すという大きな目標があります。では〈自分〉に何が出せるのか。それは下のボールに飛び込んだり、目立たずとも泥臭いプレーを何度も繰り返すこと」(FL覺來弦)
「(自分が起用される意味は)走って走って、ディフェンスして、チームを勢いづけなさい、という意味だと」(FL川上力也)

 チームファーストの意識を大前提に、チームの性質を強調するために、各々の選手が個性を表現すること。昨年からのテーマである「パフォーマンスの波をなくす」ためのカギは、ここにあるのかもしれない。自らの個性を見つめ直し、理解し、それをチームのために出し切る――。リコーラグビー部に浸透した新たな意識が、チームを飛躍に導く日は近そうだ。



(文 ・ HP運営担当)



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