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レポート

2010-2011 トップリーグ 第2節 対 サントリーサンゴリアス戦

後半リード広げるも、終盤一瞬の隙突かれる

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 後半開始直後、サントリーにチャンスが到来する。開始1分、密集でボールを放さなかったとして、リコーにペナルティ。10mライン付近左からサントリーはゴールを狙う。しかしこれは外れた。

 7分、今度はリコーに好機。WTB小松のランで攻め込むと、右サイドゴールライン間際でラックをつくる。そこから素早くボールを出し、左サイドへ展開。SO河野からCTB金澤良へ。上手いコースどりで相手をかわすとフィニッシュはFB横山伸。左隅にトライを決めた。再びむずかしい角度となったコンバージョンをSO河野が決め、20対7とリードを広げた。リコーはこの後LOハレ・ティーポレに替えてカウヘンガ桜エモシ、FL金栄釱に替えてロッキー・ハビリを送る。

 サントリーも選手2人を交代し反撃態勢を敷く。すると12分、25m付近左のラックから右に展開。スピードに乗った12番がギャップを突き、右中間にトライ。コンバージョンも決まり20対14と詰め寄った。

 ワントライワンゴール差となり、緊張感を増すピッチ。一進一退、キックの処理やパスなど、一つひとつプレーにも、気持ちが入っている。ほころびを見せれば、いつでもなだれ込んでくる研ぎすまされた攻撃力の存在が、ピッチ全体を引き締めていた。

 17分、CTBキニキニラウに替えタマティ・エリソンを投入。キレのある動きで、均衡状態を撹乱する。リコーに守りに入る様子は全くない。

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 20分にはエリソンのライン裏へのキックによるゲインとサントリーのオフサイドで、25m付近右の位置でペナルティを得る。SO河野がゴールを狙うが惜しくも外れた。

 その後10分はリコーが攻勢をかける。ゴール前のラインアウトを奪うなどして相手ゴールに迫った。激しさを見せ続けるFWで勝負するリコーに、スタンドから大声援が贈られる。しかし、サントリーの堅守も徹底されていた。リコーがボールをリリースせずとの判定が下り、再びボールはピッチ中央へ。

 28分、サントリーにハンドの反則。リコーは自陣からのキックでタッチを狙うが、これがノータッチ。サントリーは、キャッチ後一気に攻め上がり、右サイドを突き大きくゲインした。ここでNO.8ロッキー・ハビリが反則を犯し一時的退出処分に。

 31分、サントリーは右サイドからのラインアウトよりボールをつなぐ。ラックからテンポよくボールを出し連続攻撃。最後は15番が足をつかまれながらも右中間にグラウンディング、トライを決める。コンバージョンは外れ、20対19。リコーは辛くもリードを維持する。

 そして、一瞬の隙だった。

 35分、サントリー陣内でリコーがペナルティを犯すと、途中交代で入った相手SH(21番)が抜け出す。サポートしたBKにつなぎ右サイドを破りインゴールエリアに達すると、12番が中央に回り込んでトライ。コンバージョンも決まり20対26。サントリーが、土壇場残り5分で逆転する。

ホーンから5分36秒、アタック繰り返したFW

 だが、このゲームのクライマックスはここからだった。39分、リコーはハイタックルの反則でペナルティを得ると、タッチに出し、相手ゴール前左サイドでラインアウトを得る。このラインアウトに、10分間の一時的退出処分を終えたNO.8ロッキー・ハビリが全速力で駆けつける。

 ラインアウトのキープには失敗したが、サントリーの選手がノックオン。15mスクラムを組んだところで40分経過のホーンが鳴る。ここで仕留めなければ勝利はつかめない。相手にボールを与えても試合は終わる、無論反則でも――。

 最後の力を振り絞り、スクラムサイドをFWが突く。破れない。今度はラックを維持し、そのサイドを突く。数十センチ押し込み、押し戻される度に、歓声と悲鳴が交錯する。

 ラックが位置をずらす度に、駆け寄ってボールの場所を把握するSH池田渉の動きに、観衆の視線が集中する。気づけば時間は45分を過ぎていた。

 次の瞬間、レフェリーが素早く動きボールの状態を確認する。ジェスチャーとともに笛を吹いた。ノットリリースザボール――。最後はサントリーがキックを蹴り出し、もう一度今度はノーサイドの笛が鳴った。

 20対26。軍配はサントリーに上がったが、リコーラグビー部は今シーズン初となる勝ち点1(7点差以内の敗戦)を獲得した。


「Attitude、ラグビーに対する姿勢という部分ではかなり改善されたと思います。自分たちがやろうということを、試合を通してやれたし、先週よりは成長できた。(後半、点差を考えたプレーをしたか?)実は正直、何点差だったか覚えていないんですよ。それよりも自分たちのラグビーをすることに集中していました。シンビンでひとり減ったときに『激しくいこう』と話したけれど、点差を考えてどうこうっていう気持ちは一切なかった」(SH池田渉)

「激しく、思い切って、自分たちのラグビーをやる」
 近鉄との開幕戦を終えたチームが目指したテーマは、シンプルなものだった。そして"TAFU"に自分たちのプレーを80分間貫けたことが、この日の結果につながったのは間違いない。ラスト5分で見せた、跳ね返されても、跳ね返されても、規律を守りながらアタックし続ける姿勢。それはラグビーの神髄とも言えるものだった。

 本来の『熱さ』と『挑戦者の姿勢』を取り戻したリコーラグビー部。本当の勝負はこれからだ。



(文 ・ HP運営担当)



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