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レポート

2009-2010 トップリーグ 対 マツダブルーズーマーズ

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「このコンディションで9トライ。よく頑張ったんではないですか?」

 今季の試合をすべて終えたトッド・ローデンヘッドコーチ(HC)はシーズンを振り返った。

「今季、私たちはトップ6にもプレッシャーをかけて闘えていたと思います。印象に残っているのは、サントリー(サンゴリアス)戦ですかね。それから三洋電機(ワイルドナイツ)戦も。
 ただ、いい試合はできたけれども、『結果』は出せませんでした。私たちに欠けていたのは、最後の10%の部分だと考えています。"ゲームプランをしっかり守ること"だとか、"ラインアウトの実行力"だとか、"ルールを守りきれず、ペナルティが多かったこと"など。そのどれもが少しずつ足りなかった。(1つの目標としてきた)6位と12位の差はそこにあったと思っています。
 また、強く感じたのはTLのどのチームもが、私たちに対ししっかりと準備をしてきたということです。それは、力を認められたということですから誇りに思うべきことでしょう。学ぶことは多くありました。必ずそれらを力に変えて、来シーズンはまた違ったリコーラグビー部を見せたいと思います。結束力のあるチームをね」



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 リコーラグビー部史上最もタフなシーズンとなる――ローデンHCの言葉は、まさにその通りとなった。しかし、得たものは大きい。FBスティーブン・ラーカムは言う。
「飲み込みのはやいチームだと思う。毎週、試合ごとに問題を修正する力がある。僅差の試合で勝つには、何よりも経験が大きな力となります。今シーズンの経験は、これからのためにとても価値あるものです」

――シーズンを通し、グラウンド上で選手とコミュニケーションを取っていましたね。
「個人的な話ですが、かつてジョージ・グレーガン(現サントリー・サンゴリアスSH)にコミュニケーションの重要性をよく説かれ、怠れば叱られたものです。今思えば、私のキャリアにおいて、そうしたコミュニケーションによって得たものは本当に大きかった。互いに何をしようとしているのかを共有することは、あるプレーが正解か不正解かを見極める前に必ず必要な作業ですから。
 チームのコミュニケーションレベルを上げることは大切なことですが、そうした点で最も成長を感じたのは河野(好光)かな。僕がチームに入った頃は静かな感じを受けましたが、今では率先してコミュニケーションをとっていますよ」

――若い選手には、もっと伝えたいことがありますか? もっと聞きにきてほしいとか?
「今ちょうどいい感じかな。一度に情報を与えると処理しきれず、パンクしてしまうこともあるものですが、そういうことは起きていませんしね。彼らのラグビーを学ぶ姿勢はいいバランスにあると思います」



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「頑張れよ! お前ら、頑張れよ!」

 この試合で現役引退を表明した田沼広之は、グラウンドで胴上げされた後、スタンドの後輩選手たちに向かって叫んでいた。

「感慨? なかったですね。今日の試合の位置づけが、来季に向けての第一歩というものでしたから。そこに立つ以上、後輩たちがいいスタートが切れるようにって集中していたんで。
 本当にね、スタンドにいる選手たちにも、グラウンドに立ってほしい選手いっぱいいるんですよ。その気持ちが強いから、そういう言葉が出てきたのかな。でもね、トッド(ローデンHC)が来たとき、本当に厳しい練習をやったんだけど、誰一人逃げずに乗り越えていたから。それを見ているから安心しているというか。これなら、大丈夫だなって思っていますよ」


チームキャプテンとして1シーズンを過ごしたSH池田渉の言葉。
「残留戦って、最後残るために頑張ろうってなると思うんですけど、僕らはチャレンジマッチと考えて、しっかりチャレンジしようって。気持ちとしては来シーズンのスタートでしたね。
 今季は、三洋に前半リードしたり、東芝を後半追い上げたり、サントリーに80分間いい試合ができたりと、いいところはたくさんあったと思う。今日もコンディションは悪かったけれどやりたいことの一部はできたので。もちろん課題はありますが、それは明確なので、来季が楽しみな終わり方ですね。
 メンバーが固定されていないこのチームが、それでもチームとしてプレーできているのは、普段の生活における結束力を生かしているから。そういう絆で結ばれた仲間とプレーするのって本当に楽しみなんです」



 チームは束の間のオフに入る。しかし、「来季に向けたチャレンジマッチ」の言葉が示すように、闘いは既に始まっている。リコーラグビー部史上最も厳しいシーズンを乗り越え、たくましさをました選手たちは夢の実現に向かい"TAFU"に前進する――。来季もさらなる声援を送りたい。



(文 ・ HP運営担当)



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