ニュースリリース
出力電圧可変型DC/DCコンバータとして最薄を達成した「R1211X/R1280Dシリーズ」を製品化
~液晶用電源に最適、ノートPCなどの薄型化に貢献~
株式会社リコー(社長:桜井正光)は、ノートPCや各種携帯機器などの液晶用電源に最適なDC/DCコンバータIC※として、出力電圧を任意に設定可能なタイプながら、小型・薄型のSONパッケージに実装した「R1211Xシリーズ」と「R1280Dシリーズ」の2製品を開発し、サンプル出荷を開始いたします。
※DC/DCコンバータIC:バッテリーなどからの入力電圧(直流)を適切な電圧(直流)に変換して内部回路へ供給するIC。
製品名 |
R1211Xシリーズ |
R1280Dシリーズ |
パッケージ |
SON-6、SOT-23-6W |
SON-10 |
コントロール回路 |
1系統(昇圧型) |
2系統(昇圧型+反転型) |
サンプル価格 |
120円 |
250円 |
受注開始 |
2001年6月1日 |
月産規模 |
100万個(当初) |
80万個(当初) |
ノートPCや各種携帯機器の薄型化に伴い、部品の薄型化の要求が高まっており、特に液晶部における薄型化の要求は著しいものがあります。また、液晶部では、そのサイズや特性などにより、10~数10Vの正電圧および負電圧という幅広い電圧が必要とされるため、従来から、出力電圧を外部で設定できるDC/DCコンバータが採用されていました。
新製品は、外部から出力電圧を設定できるDC/DCコンバータとして、最も薄いSONパッケージ(SON-6=横1.6mm×縦3.0mm×厚さ0.9mm、SON-10=横2.9mm×縦3.0mm×厚さ0.9mm)への実装を実現したものです(従来の最薄は、SSOPパッケージ=厚さ1.1mm)。
<新製品「R1211Xシリーズ」と「R1280Dシリーズ」の主な特徴>
1.小型・薄型パッケージ SONを採用しました。
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- ●「R1211Xシリーズ」は、SON-6を採用。実装面積は1.6mm×3.0mm、厚さは0.9mm(max.)。また、標準的なパッケージであるSOT-23-6W(横2.9mm×縦2.8mm×厚さ1.1mm)も用意。
- ●「R1280Dシリーズ」は、SON-10を採用。実装面積は2.9mm×3.0mm、厚さは0.9mm(max.)。
2.接続先の特性にあわせて、電圧の制御特性を外部から調整することも可能です。
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- ●「R1211Xシリーズ」「R1280Dシリーズ」それぞれに、標準品の内部位相補償タイプのほかに、オペレーションアンプへのフィードバック端子を用意した、外部位相補償型も用意(R1280Dシリーズの場合は昇圧側のみ)。
- ●内部位相補償型は、外部の部品点数を最小限にすることが可能。
- ●外部位相補償型は、お客様のニーズやアプリケーション(例えば液晶のサイズ、特性など)にあわせて、電圧の制御特性をきめこまかく調整することが可能。
3.3種類の保護回路を内蔵しました。
- (1)ソフトスタート機能…電源投入時に発生しうる大きな突入電流を防ぐための回路。
- ・「R1211Xシリーズ」の場合、ソフトスタート時間は固定(9mS;typ.)。
- ・「R1280Dシリーズ」の場合、ソフトスタート時間は、外付けのコンデンサにより設定可能。
- (2)低電圧誤動作防止回路(UVLO)…入力電圧が低くなった時に異常を検知し、内部回路を停止させ誤動作を防止(2.2V;typ.)。
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(3)ラッチ型保護回路…スイッチングのON dutyがmax duty※となり、その状態が一定時間以上続いた場合、外付けドライバートランジスタをオフさせることで動作を停止。
- ※DC/DCコンバータでは、スイッチングのON時間で出力電流を調整している(出力電流が大きいほどON時間を長くする)。Max dutyとは、スイッチをONさせている時間が最も長い状態を示し、R1211/R1280では、Typ:90%で規定している。
・「R1211Xシリーズ」の場合、ラッチ状態になるまでの時間は、外付けコンデンサの容量で設定可能。
・「R1280Dシリーズ」の場合、ラッチ状態になるまでの時間は固定(100mS;typ)。
4.出力電圧を外部で設定できます。
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- ●出力電圧は、外付けされる出力電圧設定用抵抗の抵抗比によって決定され、基準電圧の精度は±1.5%。
5.2系統のコントロール回路を内蔵しております。(R1280Dシリーズの場合)
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- ●R1280Dシリーズは、入力電圧より高い電圧に変換する昇圧型と、負電圧に変換する反転型の2系統を装備。(R1211Xシリーズは、昇圧型の1系統)
左から、R1211Xシリーズ(SOT-23-6W)、同(SON-6)、R1280Dシリーズ