外付けにセラミックコンデンサを使用できる高性能ボルテージレギュレータIC 「R1112N」、「R1122N」を受注開始

2000年3月27日
株式会社リコー

　株式会社リコー(社長：桜井正光)は、各種情報通信機器や電気機器などに用いて、機器内の回路への供給電圧を一定化するボルテージレギュレータICとして、出力端子の外付けコンデンサにセラミックコンデンサを使用できる上、高いリップル除去率や低い入出力電圧差など優れた特性を実現した「R1112Nシリーズ」、「R1122Nシリーズ」の2シリーズを開発し、受注を開始いたします。

*「R1112Nシリーズ」は、米国ナショナル セミコンダクター社のレギュレータIC「LP2980/2981/2982/2985」と置き換え可能なパッケージになっております。一方「R1122Nシリーズ」は、東光株式会社のレギュレータIC「TK111/112/113」と置き換え可能なパッケージ(一部のパッケージは除く)になっております。

製品名	R1112Nシリーズ／R1122Nシリーズ
サンプル価格	各70円
受注開始	2000年3月27日
月産規模	各300万個

*このニュースリリースに掲載されている価格および料金には、消費税は含まれておりません。

　新製品2種は、各種情報通信機器や電気機器などに用いて、電池やアダプターなどの電源から入力した電圧を、動作電圧が規定されている機器内の回路上のメモリーやCPUなどに対し、電池の消耗などによる電圧変動に関わらず一定化して出力するボルテージレギュレータICです。
　低消費電流化に有利なCMOSプロセスを採用しながら、回路レイアウトを最適化することにより、高いリップル除去率※、低い入出力電圧差など、優れた特性を実現するとともに、出力端子の外付けコンデンサとして、機器の小型・軽量化や低コスト化、より高い安全性の確保に有利なセラミックコンデンサの使用を可能にしていますので、携帯電話やPDA、ビデオカメラなどの携帯機器に最適です。

※リップルとは、電圧がサイン波のようにあるレベルを中心に上下していることを言います。リップル除去率とは、電池などからの入力電圧のリップルを、出力時にどれだけ小さくできるかを表わすもので、この値が大きいほど特性が良いことを示します。

＜新製品R1112NシリーズとR1122Nシリーズの主な特徴＞

1.出力端子の外付けコンデンサにセラミックコンデンサを使用できます。

• • ●出力端子の外付けコンデンサに、2.2～4.7
    Fのセラミックコンデンサを位相補償用の追加ESR(直列等価抵抗)なしで使用可能。(従来品は、入力側のみセラミックコンデンサを使用し、出力側はタンタルコンデンサ、またはセラミックコンデンサ＋ESRを推奨)
  • ●セラミックコンデンサは、故障時に回路がショートしないため、より安全性が高く、また、ヒューズ付きタンタルコンデンサやセラミックコンデンサ＋ESRを使用するのに比べ、軽量、低コストを実現。
  • ●従来どおり、ローESRタイプのタンタルコンデンサも使用可能。

2.安定した電圧を供給する優れた特性を実現しています。

• • ●80dB(1kHz)という高いリップル除去率を実現。サイン波のように電圧が上下している電源からの入力電圧を安定した電圧にして出力。
  • ●0.19V(100mA)という優れたLDO(Low Dropout=低入出力電圧差)を実現。電池をはじめとした電源の能力を最大限に生かすことが可能。

3.CMOSプロセスの採用に加え、チップイネーブル機能を搭載することにより、さらなる低消費電流を実現しています。

• • ●CMOSプロセスの採用と、回路レイアウトの最適化により、優れた特性を獲得しながらTYP.100
    Aという低消費電流を実現。
  • ●外部からの信号でスタンバイモード、動作モードを切り替えられるチップイネーブル機能を搭載。スタンバイモード時の消費電流は0.1μA。しかも、Hアクティブ(ハイレベルの信号でスタンバイ解除)とLアクティブ(ローレベルの信号でスタンバイ解除)の選択が可能。

4.低電圧出力でも150mAの負荷に対応可能です。

• • ●1.5V～1.7V出力品でも出力電流が150mA(min.)となっており、大きな負荷にも対応可能。

5.高密度実装が可能な5ピンSOT-23パッケージを採用しています。