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サプライチェーンマネジメント

方針/基本的な考え方

私たちは、事業活動全般において広く「影響力を及ぼす範囲」を認識し、社会的責任経営を推進しています。その中で特にサプライチェーンには、関係する企業や人々が多く、意図しないマイナス影響を回避または最小化する配慮が重要です。リコーは、グローバルなサプライチェーンにおける企業の社会的責任を推進する「責任ある企業同盟」RBA*1(Responsible Business Alliance)に加盟し、人権・労働・環境等の国際的なガイドラインに照らしながら、自社の生産工場のみならず、サプライヤー企業も含めた倫理的な行動を徹底し、継続的に活動のレベルアップを図っています。

画像:画像:リコーグループの購買活動の基本的な考え方

*1 RBA: Responsible Business Alliance サプライチェーンのCSRを推進する業界団体。リコーはRBAの一員としてサプライチェーン全体でCSRを推進する活動に取り組んでいる。

リコーグループ購買活動の基本的な考え方

リコーグループの事業は多くのサプライヤーの皆様に支えられて成り立っています。私たちは、サプライヤーの皆様をリコーグループにとって不可欠なビジネスパートナーとして認識し、信頼関係を構築しながら、相互に発展していくことを目指しています。

今日の社会には、環境問題や人権問題をはじめ、様々な課題が存在しています。リコーグループは、SDGs事業活動を通じて持続可能な社会の実現に貢献していくため、「Driving Sustainability for Our Future.」をサステナビリティメッセージに掲げていますが、この実現には、リコーグループの方針やビジョンをサプライヤーと共有し、サプライチェーン全体で社会からの期待に応えていく必要があります。このため、法令を遵守し、公正かつ環境や社会への影響を配慮したCSR調達活動を行うための基本的な考え方を「購買規定」にまとめ、グローバル全体で活動のレベルアップに取り組んでいます。

購買規定

【取引の公平性】

経済合理性を基本に国内外に開放され、公平かつ公正な購買活動を行う。

【環境保全】

地球市民の一員として地球環境の維持・改善に寄与する購買活動を行う。

【CSR】

企業としてのCSRを自覚し、法の遵守・社会倫理の尊重を前提とした購買活動を行う。

【取引先との共存共栄】

優秀な仕入先との相互責任に基づく共存共栄を図る。

リコーグループのサプライチェーン

リコーグループは、グローバルに1,801社のサプライヤーとの取引があり、調達金額は約2,500億円です(2023年3月現在)。これらのサプライヤーと連携しながら、グループ全体の調達活動の最適化に取り組んでいます。

地域別サプライヤー社数比率・地域別購入金額比率(画ソ系)

重要サプライヤーの特定

調達金額や調達量、調達材料・部品の重要性や代替可能性などに加え、当該国の政治、規制、労働状況、エネルギー消費、汚染の可能性等の影響により部品調達ができなくなるリスクを考慮しながら、以下の流れに沿って重要サプライヤーを特定しています。2023年3月現在、グローバルで216社が重要サプライヤーとして特定されています。

【1st Step】

サプライヤーとの新規取引にあたっては、購買規定に則った選定を行うとともに、取引基本契約書にもESG(E:環境、S:社会、G:ガバナンス)に関する条項を盛り込んでいます。

【2nd Step】

1st Stepの要求事項を満たしたサプライヤーの中で、購入金額が大きいサプライヤーや主要機種・戦略機種の部品を供給するサプライヤー、代替不可能な部品を供給するサプライヤーに加え、部品調達ができなくなるリスクを考慮したサプライヤーを「重要サプライヤー」として特定します。

画像:重要サプライヤーの特定

サプライヤーとの信頼関係の構築

サプライヤーの皆様との相互的な発展が重要と考え、強固な信頼関係と長期的な協力関係の構築に取り組み、以下のような活動を通じて、CSRの重要性をサプライヤーの皆様と共有し、双方向のコミュニケーションによって理解を深めています。

  • リコーグループ サプライヤー・パートナー行動規範の共有
  • 生産動向の紹介
  • ESG説明会の開催
    ESG説明会を通じて、サプライヤーの皆様への教育・トレーニングを実施しています。リコーの取り組みやサプライヤー・パートナー行動規範といった基本事項について説明するところから開始し、現在では、脱炭素の目標設定、CSR監査の実施、高リスクと判定したサプライヤーの皆様への改善プログラムの実施等、より発展した内容についてご説明しています。2020年度以降は、新型コロナウイルス感染防止の観点から、オンラインと対面のハイブリッド型で開催しています。
  • サプライヤーに、無記名によるリコーの購買活動についてアンケート調査を実施し、リコー自身の購買活動を改善していきます。

また、サプライヤーの皆様との間で運用するネットワークインフラ「RaVenderNET」を構築し、生産情報、原材料や部品の環境負荷情報だけでなく、CSR調達に関する情報交換にも活用しています。

RBAへの加盟

2019年11月にリコーはRBA(Responsible Business Alliance)に加盟しました。
RBAは、グローバルなサプライチェーンにおける企業の社会的責任を推進する企業同盟です。 リコーはRBAの共通目標と精神を尊重し、提示されるRBAの手法や手段を採用し、実践することに努めており、サプライヤーの皆様とこの取り組みを共有しています。また、RBAのプラットフォームであるRBA-Onlineを活用して、サプライヤーの皆様にESGの取り組みに関する各種データの提供を頂いており、RBAの管理指標をベンチマークとして、持続可能なビジネス活動を推進するために、サプライヤーの皆様と協力してESGリスクの是正、低減化に取り組んでいます。サプライヤーの皆様は、ESG説明会の開催や脱炭素推進に向けた電力量削減プログラム、その他様々な取り組みについて情報交換を行い、実践されています。また、リコーは、これらの取り組みに対し積極的にアドバイスを行うことで、支援を行なっています。

RBA行動規範の遵守状況を定期的に評価するため、リコーグループの生産拠点では、RBAのSAQ(Self-Assessment Questionnaire)を用いたESGリスクレベルのセルフチェックと、RBA行動規範の遵守状況を確認する第三者監査機関によるオンサイト監査プログラムであるRBAのValidated Assessment Program (VAP)を受審しています。
VAPでは、サプライチェーンマネジメントに関する審査項目として、一次サプライヤーや重要サプライヤーの数に加え、リスクアセスメントの実施数、アセスメントにより特定された高リスクサプライヤーの数および改善支援プログラムの実施社数と改善状況などが評価されます。これまでの監査では、監査機関に提出した定量データについて不適合の評価があった事例はなく、3段階(Platinum/Gold/Silver)ある認証ランクの内、受審した拠点全てでGoldまたはSilverを取得しています。
認証を取得している生産拠点の一覧については、人権ページをご参照ください。

リコーのRBA加盟に関するお知らせ
RBA(英語)
Validated Assessment Program (VAP)(英語)
人権

リコーグループ サプライヤー・パートナー行動規範

サプライヤーの皆様にもリコーグループのCSRの原則にご理解・ご賛同いただき、サプライヤーの皆様とともにより良い社会・地球環境づくりと企業の持続的な発展の実現を目指して努力し続けることを目的とし、2006年1月、「リコーグループサプライヤー行動規範」を制定しました。
2020年8月の改訂では、サプライヤー行動規範を、国連のビジネスと人権に関する指導原則に沿って、労働における基本的原則及び権利に関するILO宣言ならびに世界人権宣言を含む、主な国際的人権基準に由来したRBA行動規範に準拠させました。2023年4月には、リコーグループのビジネスパートナーの皆様にも取り組んでいただきたい行動規範として「リコーグループ サプライヤー・パートナー行動規範」に改訂しました。
サプライヤー・パートナーの皆様には、労働環境が安全であること、労働者に対して敬意と尊厳をもって処遇すること、さらに環境への責任とともに業務を倫理的に行っていただくために、この改訂された行動規範への取り組みをお願いしています。
また、行動規範の内容を確認し、サプライヤー・パートナーの皆様と協力して取り組んでいくことを確かなものとする為、責任者の方に「リコーグループ サプライヤー・パートナー行動規範同意確認書」に署名していただくことをお願いしています。2022年度末には98%の重要サプライヤーの皆様から同意を頂きました(2023年度に100%同意完了)。

サプライヤー行動規範同意確認書提出率
2020年度 2021年度 2022年度
目標 80% 90% 100%
実績 86% 98% 98%

Tap to see the table

リコーグループ サプライヤー・パートナー行動規範
リコーグループ サプライヤー・パートナー行動規範(日本語)(439KB)
リコーグループ サプライヤー・パートナー行動規範(英語)(234KB)
リコーグループ サプライヤー・パートナー行動規範(中国語)(383KB)
リコーグループ サプライヤー・パートナー行動規範(タイ語)(252KB)

リコーグループ サプライヤー・パートナー行動規範 同意確認書
リコーグループ サプライヤー・パートナー行動規範 同意確認書(日本語)(98KB)
リコーグループ サプライヤー・パートナー行動規範 同意確認書(英語)(24KB)
リコーグループ サプライヤー・パートナー行動規範 同意確認書(中国語)(92KB)
リコーグループ サプライヤー・パートナー行動規範 同意確認書(タイ語)(104KB)

RBA行動規範
RBA行動規範(英語)

リコーグループ サプライヤー・パートナー行動規範(項目のみ)

リコーグループ サプライヤー・パートナー行動規範は、RBA行動規範を基礎とし、労働・安全衛生・環境・倫理・管理システムの5つのセクションで構成されています。

A. 労働

  1. 雇用の自由選択
  2. 若年労働者
  3. 労働時間
  4. 賃金および福利厚生
  5. 人道的待遇
  6. 差別/ハラスメントの排除
  7. 結社の自由

C. 環境

  1. 環境許可と報告
  2. 汚染防止と資源削減
  3. 有害物質
  4. 固形廃棄物
  5. 大気への排出
  6. 物質の制限
  7. 水の管理
  8. エネルギー消費および温室効果ガスの排出

E. 管理システム

  1. 企業のコミットメント
  2. 経営者の説明責任と責任
  3. 法的要件および顧客の要求事項
  4. リスク評価とリスク管理
  5. 改善目標
  6. トレーニング
  7. コミュニケーション
  8. 労働者のフィードバック、参加、苦情
  9. 監査および評価
  10. 是正措置プロセス
  11. 文書化と記録
  12. サプライヤーの責任

B. 安全衛生

  1. 職務上の安全
  2. 緊急時への備え
  3. 労働災害および疾病
  4. 産業衛生
  5. 身体に負荷のかかる作業
  6. 機械の安全対策
  7. 衛生設備、食事、および住居
  8. 安全衛生のコミュニケーション

D. 倫理

  1. ビジネスインテグリティ
  2. 不適切な利益の排除
  3. 情報の開示
  4. 知的財産
  5. 公正なビジネス、広告、および競争
  6. 身元の保護と報復の禁止
  7. 責任ある鉱物調達
  8. プライバシー

調達方針に関する説明会の開催

画像:CSR説明会の開催CSR説明会の開催(リコー本社/東京都)

画像:ESG説明会の開催関連会社でのESG説明会(中国・東莞)

リコーグループ購買方針説明会を毎年開催し、サプライヤーの皆様に対して調達方針やCSR方針をご説明しています。リコーグループの日々の安定した生産活動は、サプライヤーの皆様のご協力の賜物であり、WIN-WINの精神のもとに、更なる信頼関係を構築する場としています。2019年は中国(上海、深圳)およびタイ(バンコク)において購買方針説明会を開催しました。(2021年は新型コロナウィルスの影響により中止)
また、サプライチェーン全体で歩調を合わせたCSR活動に取り組んでいくため、サプライヤーの皆様向けのCSRセミナーも開催しています。2019年度は、海外のサプライヤーの皆様を対象に、タイと中国(深圳、上海)でCSR説明会(2021年度からESG説明会に改称)を開催し、地球環境問題などの社会課題やSDGsの意義、リコーグループが取り組む方針・目標などをサプライヤーの皆様と共有しました。2020年度以降は、コロナウイルスの影響により、オンラインと対面のハイブリッド型で開催しています。さらに、CSRアセスメントを実施し、RBA基準による労働、安全衛生、環境、倫理、マネジメントシステム等の内容の確認を行いました。フィードバックでは規範の遵守レベルを示し、改善の余地がある項目だけではなく、優れている項目も具体的に提示し、双方向のコミュニケーションを図りました。また、高リスクサプライヤーの皆様とは個別に改善策を協議し、改善活動に取り組んでいます。サプライヤーの経営者、従業員と共に改善策を策定・実践し、その後の状況を確認するフォローアップ監査まで実施しています。

サプライヤー満足度調査

画像:サプライヤー満足度調査のPDCAサイクル

リコーは、サプライヤーの皆様との公正な企業活動により、共存共栄と持続可能な発展をめざしています。持続可能な社会の発展を共に目指すパートナーとして、全てのステークホルダーから選ばれ続ける企業であるために、2020年度にパイロット調査、2021年度から本格的にサプライヤー満足度調査を開始しました。
サプライヤーの皆様にアンケートを実施し、無記名の回答による忌憚なき意見に耳を傾けリコーの調達活動を改善しています。
アンケートは、改善状況を把握するために2021年度と同じ設問とし、4カテゴリーの8つの設問、それぞれリコーの購買活動に対する数値評価と具体的なご意見をいただく方法で実施しました。
2022年度は重要サプライヤーを対象に日本、中国、タイ、ベトナムでアンケートを実施し約60%のサプライヤー様から回答を頂くことができました。アンケート結果によると、リコーの購買活動に対する満足度は68%と、依然として改善の余地が大きいことが分かりました。サプライヤー様からお寄せいただいたご意見を見ますと、基本的に丁寧で紳士的とのご評価をいただいていますが 、“ごく稀に言葉使いが悪い担当者がいる”とのご意見を一件頂いています。また、拠点間のコミュニケーション不足を感じるときがある“生産計画の変動がある”など、改善が必要なご意見もお寄せいただきました。サプライヤー満足度調査のご協力をお願いした皆様にはアンケート結果をフィードバックいたしました。今年度は、購買活動に対する改善策を実施予定です。

CSR調達の取り組み

リコーグループは、グローバルに事業活動を展開している中、社会課題の解決への取り組み、社員がより一層誇りを持てる企業になることを目指して、サプライチェーンにおけるESGに配慮し、それぞれの分野の課題に対応しています。地球環境や社会が抱える様々な課題の解決や改善にサプライヤーと共に取り組むことが、健全な企業への発展の原動力となり、最終的には持続可能な社会を実現すると考え、長期的な企業価値向上の観点からこの取り組みを進めていきます。

2021年12月には調達・購買のESGに関わる統括部署を組織し、リコーグループが要求するESGリスクマネジメント水準の達成を支援する取り組みを通じて、ローリスクサプライヤーの拡大に取り組んでいきます。

サプライチェーンへのCSR調達展開状況

画像:サプライチェーンへのCSR調達展開状況

購買部門における教育・研修

サプライチェーン全体でのCSR調達を推進していく上で、まず自社の購買部門の従業員がサプライチェーンにおける社会的・環境的問題を把握しておくことが重要です。
リコーの購買部門では、新たに購買業務に従事する従業員を対象に「CSR調達研修」を実施するとともに、ESG部門との月次会議を通じて、国際的なサステナビリティ潮流や社会や顧客からのCSR調達に関する要請事項の確認・把握を行っています。また、近年ますます要求が高まっているサプライチェーン全体でのGHG排出量の削減および環境負荷の低減をはじめ、さまざまな社会的・環境的問題に対応するため、2022年より購買部門内でワーキンググループを立ち上げ、ESG情報の収集を行うなどCSR調達活動のレベルアップを図っています。

グリーン調達の推進

リコーグループは、サプライチェーン全体の環境負荷低減に向け、サプライヤーの皆様と協力しながら環境保全の取り組みの強化に努めています。また、サプライヤーの皆様への環境保全活動支援として、サプライヤーの皆様にリコーグループの環境マネジメントシステム(EMS)を構築していただくための「EMSガイドライン」や「グリーン調達基準」を定め、この基準に従って製品に使用される原材料・部品の調達を行っています。さらに、化学物質管理システム(CMS)構築のための「CMSガイドライン」を設け、教育や運用支援を行っています。

サプライチェーンにおける化学物質管理

画像:サプライヤーへのCMS審査員研修会風景サプライヤーへのCMS審査員研修会風景

リコーグループでは、サプライチェーン全体での化学物質管理システム(CMS)構築を目的に、サプライヤーの社員を対象にしたCMS審査員の育成と認定を2005年から実施しています。認定されたCMS審査員は自社の内部監査のほかに、環境影響化学物質を扱う重要工程を持つ上流サプライヤーの審査とCMS構築の支援を行います。
日本においては継続的にCMS審査員研修会を実施して、リコーグループが要求する化学物質管理に関する技術支援を行っています。
前半は座学でCMSの知識の教育を行い、後半はCMS審査のロールプレイングを実施し、習得した知識・技術を実践の場で活用し、他者にも指導できるようにトレーニングを行います。2021年度からは、新しい試みとしてオンライン研修会を導入しています。今後も引き続き、審査員としてのレベルアップを支援していきます。

CMS審査員研修会の目標と実績

年度 社数 人数 審査員合格率 (目標/実績)
2017年度 76 91 100%/100%
2018年度 49 61 100%/100%
2019年度 18 34 100%/100%
2020年度 コロナウイルス影響により開催中止
2021年度 29 38 100%/100%
2022年度 46 56 100%/100%

画像:CMS審査員研修会の実績

サプライヤー脱炭素支援活動

リコーグループでは、脱炭素に向けたCO2削減活動をグループ単独で進めるだけでなく、サプライヤーの皆様と連携して進めていくため、サプライヤーの皆様に対して、クリーンな電力への切替え支援を行っています。
パリ協定の発効(2016年)で世界共通課題となった地球温暖化問題や、環境に関するトレンド情報をサプライヤーの経営層と共有し、CO2に対する意識の向上を図っています。また、リコーグループの実践事例とノウハウを元に、サプライヤーの皆様と共にCO2および電力経費の削減活動を進めています。2021年度は、ESG説明会を開催し、サプライヤーの皆様へリコーグループの脱炭素に対する方針と今後の取り組みについてご説明し、協力をお願いしました。
今後も、環境保全活動と利益創出を同時実現する環境経営を、サプライヤーの皆様と共に実践していきます。

画像:宮沢機器工業株式会社 代表取締役 宮澤泰三 様
サプライヤーとの新電力切替によるCO2削減 事例紹介

宮沢機器工業株式会社 代表取締役 宮澤泰三 様

本社:大田区大森本町

工場:大田区城南島

ウェブサイト:http://www.m-mic.co.jp/

CO2削減への取組みのきっかけは?

弊社は、本社と工場と主に2拠点で活動をしていますが、照明機器のLED化や省電力な空調設備の導入などによる省電力化については順次実施してまいりました。
2018年夏にリコー様からCO2削減の“新電力切替えの提案”がありました。リコー様がこの活動に取組む主旨や社会に与える影響などの説明を受け、弊社としてもご協力しようと思いました。但し、従来の電力会社と複数年契約を締結しておりましたので、契約終了後に再度検討しようと思っておりました。

CO2フリーメニュー採用のポイントは?

リコー様で蓄積した新電力切替ノウハウや業務支援をご提供いただき、経費削減とCO2削減の両方が実現できるのならば取り組みたいと考えました。
その様な中、CSR説明会やSDGsセミナーへ参加させて頂き、リコー様の環境に対する本気度を肌で感じ、部品供給会社として、今自分たちには何ができ何で貢献ができるのかを改めて考えたことが導入のきっかけとなりました。中でもCO2フリーメニューであっても従来の電力会社に比べてコスト削減につながるご提案を頂き、サプライヤーで初採用となることも即決に至った理由です。

今後の取り組みは?

新電力の調達変更によるCO2削減とともに、使用電力量削減によるCO2排出削減にも取組んでいきたいと思っております。電力使用量データの分析など、リコーグループ様の専門部門の方々のノウハウをご教授頂き、少しでもCO2排出量削減につながる活動を継続し、持続可能な社会の実現に向けた活動を通じSDGsの目標達成にリコー様と共に貢献していきたいと考えております。

CO2削減活動を行ったサプライヤー

独自でCO2削減活動を行っているサプライヤー数:44社

リコーグループと共同でCO2削減活動を行ったサプライヤー
CO2削減量合計:986t(トン)
社名 HPアドレス
イケダ工機株式会社 http://www.ikeda-koki.co.jp/company/company.html
株式会社吉城光科学 http://www.kishiro.co.jp/
光輝化成株式会社 https://kouki-kasei.jimdo.com/
静宏産業株式会社 http://www.shizukoh.com/
株式会社セキ製作所 https://www.seki-seisakujyo.com/
第一光機株式会社 http://www.d1k.co.jp/
東京プラスチックス株式会社 http://www.tokyo-plastics.co.jp/
株式会社ニッシン http://www.nisshin-corp.com/index.php#
株式会社ハネダユニテック http://www.haneda-unitec.jp/
宮沢機器工業株式会社 http://www.m-mic.co.jp/

(社名:五十音順)

サプライヤーの工程改善支援

サプライヤーとの長期的な信頼関係の構築と相互協力による共存共栄を目的として、協同原価低減活動を進めています。TOP間で合意形成を実施したのち、情報の共有と分析、事実と現場現物を確認しながら課題を設定し、実行と検証を行い、パートナー様の利益(財務諸表)の向上につなげています。

サプライヤーのリスクの特定

サプライヤーの立地場所や環境負荷物質の含有懸念などを考慮の上、各サプライヤーのリスクを判断しています。リスクが大きいと予想されたサプライヤーに対しては、財務状況の定期的なチェックやCSRセルフアセスメント、第三者監査などを通じ、リスクの低減に努めています。また、全てのサプライヤーの皆様に対して、コンプライアンス違反並びに贈収賄防止方針に基づき、毎年、コンプライアンスリスクスクリーニングを実施しています。
2018年度は、禁止物質の含有や混入の可能性のあるメッキ工程を有するサプライヤーの抜き打ち監査を2件行いました。各サプライヤーの工場の視察を通して、全製品が鉛フリー無電解ニッケルメッキ製品であることを確認し、禁止物質の含有の可能性はないと判断しました。

CSRセルフアセスメント制度

「リコーグループ サプライヤー・パートナー行動規範」の遵守状況をモニタリングするためRBAの行動規範に基づく「CSRセルフアセスメント制度」を導入し、国内および海外生産拠点(中国・タイ)のサプライヤーに展開しています。サプライヤーから報告された労働、安全衛生、環境、倫理、マネジメントシステム、生活賃金から成るセルフアセスメント結果に基づき、各社の改善点を明らかにし、結果をフィードバックして改善を要請するとともに、更なるCSR活動の計画策定を含むアドバイスや実務的な支援を実施しています。サプライヤーの改善が十分に見られない場合には、サプライヤーと今後の取引について協議します。
リコーグループでは「CSRセルフアセスメント制度」を通じ、サプライヤー自らがPDCAサイクルを回し、社会の要請・期待に応えていく事を支援しています。

画像:CSRセルフアセスメント制度

CSRセルフアセスメントの目標と実績

リコーは、サプライヤーの皆様にCSRセルフアセスメントを実施し、サプライヤーの経営者、従業員と共に改善策を策定・実践し、その後の状況を確認するフォローアップ監査まで実施しています。2018年度から、RBAの行動規範に基づく新しいCSRセルフアセスメントを中国、タイのサプライヤーに対して実施し回収率は100%でした。また、2020年8月にリコーグループ サプライヤー・パートナー行動規範を改訂し、サプライヤーから行動規範の同意確認書を頂き、双方合意の上でCSRセルフアセスメントを行っています。アセスメントの結果から、いくつかの課題が浮かび上がり、この課題に対してリコーからの改善アドバイスを行い、定期的に進捗状況を確認して、改善に向けて継続支援しています。2022年度におけるCSRセルフアセスメントの結果は以下の通りとなります。

image:csr selfassessment results

2019年度 2020年度 2021年度 2022年度 2023年度(目標)
対象国 中国、タイ、日本 中国、タイ、日本、その他欧米、アジア地域 中国、タイ、日本、その他欧米、アジア地域 中国、タイ、日本、その他欧米、アジア地域 中国、タイ、日本、その他欧米、アジア地域
対象 重要サプライヤー 重要サプライヤー 重要サプライヤー 重要サプライヤー 重要サプライヤー
社数 18社

・RBAの行動規範に基づいたCSRセルフアセスメントを継続実施

<タイ>
・RBAの正式監査(VAP監査)実施
・フォローアップ監査実施

<中国>
・現場監査実施
226社

・第20次中期経営計画として2022年度までのサプライヤー改善計画を策定
・高リスクサプライヤーの撲滅を目指す
・RBAに準拠したCSRセルフアセスメントをグローバルで実施
161社

・RBAに準拠したCSRセルフアセスメントをグローバルで実施
・CSRセルフアセスメントに基づき、現場監査と改善活動を実施
216社

・RBAに準拠したCSRセルフアセスメントをグローバルで実施
・CSRセルフアセスメントの結果に基づき、高リスクと判定したサプライヤーへのCSR監査を実施
212社(計画)

・第21次中期経営計画として2025年度までのサプライヤー改善計画を策定
・2025年度までに、ローリスクサプライヤーを90%にまで拡大することを目指す
サプライヤーからの回収率 100%(実績) 86%(実績) 93%(実績) 95%(実績) 100%(目標)

社会的責任に関わる主な実績と指標

※指標2 サプライヤー企業からの CSRセルフアセスメント回収率(%)

CSR監査の実施

リコーは長年にわたり最終製品、部品、原材料それぞれにおいてCSR監査を実施してきましたが、特に2018年度からは、RBA基準に則した監査に取り組んでいます。最初に、タイのサプライヤーに対し、次に、中国のサプライヤーに対してRBA基準に則した第三者監査を実施しました。2018年度の監査においては、改善指摘事項が見受けられ、監査結果をサプライヤーにフィードバックし、基準に満たない事項に対する改善を要請しています。
2019年度は、引き続きタイと中国のサプライヤーに対してRBA基準に則した監査を実施しました。特に、タイのサプライヤーに対しては、RBAによる第三者監査(VAP監査*2)を実施し、その結果を踏まえて改善活動を進めて頂いています。また、同国サプライヤーに対しては、2018年度の監査において指摘した法令・規則、「サプライヤー行動規範」に対する違反行為の改善状況を確認するため、現地を再訪問しフォローアップ監査を実施しました。
2020年度以降は、中国、タイ、日本を中心にグローバルのサプライヤーに対し、RBA基準に則したアセスメントを実施してサプライヤーのリスク判定を行い、改善指摘事項が見受けられたサプライヤーに対して、改善計画を策定し、改善活動を行っています。

2022年度には、重要サプライヤー216社を含む合計476社*3のサプライヤーが机上評価及び現場確認により評価され、重要サプライヤーの内 95%が評価されました。また、高リスクと判定された重要サプライヤーは9社あり、これらの9社に対して、双方の合意のもと、是正計画を策定し、実施しました。
2022年度は合計46社のサプライヤーが能力開発支援プログラムに参加しましたが、これは重要サプライヤーの21%を占めています。
今後もリコーは、サプライヤーの皆様の組織能力向上に重点を置き、サプライヤー評価プログラムの効果的な実施と改善活動への取り組みを継続していきます。
2023年度には、4月にタイの生産拠点で実施したRBAのVAP監査にて、構内事業者の従業員において、現地法令に基づき適切に年次休暇が付与されていない違反事例が確認されました。 監査後、当該生産拠点では、年次休暇制度の改訂を行うとともに、サプライヤーに対して規定を周知し、遵守と再発防止を要請しました。結果、同年10月に再受審したVAP監査では、外部審査員により指摘事項が是正済であると評価されました。 今後もサプライヤーに行動規範の遵守を要請するとともに、行動規範への違反行為が確認された場合は、サプライヤーへの是正の要請を行っていきます。

*2VAP監査: 第三者監査機関が、サプライヤーのRBA行動規範5要素の遵守状況を監査し、リスクや改善機会を抽出すること。

*3サプライヤーの選定要件である、環境的リスク、社会的リスク、経済的リスクそれぞれにおいて評価を行った社数合計

サプライヤー表彰制度

リコーが認定する主要サプライヤーで、品質の向上・納期の維持・原価低減活動・環境活動に多大なるご協力を頂いたサプライヤーを表彰しています。表彰選考においては、各評価項目にリコー独自の基準を設定し、1年間の実績で表彰サプライヤーを決定します。表彰は購買部門トップが直接感謝の意をお伝えし、サプライヤーとのより強固な信頼関係を構築しています。
リコーはこのより強固な信頼関係で、サプライヤーと共に持続可能な開発目標(SDGs)達成を実現します。

生物多様性保全に対する取り組み

リコーグループは、生物多様性の保全が豊かで持続可能な社会の構築に繋がると考え、2009年に「生物多様性方針」を制定しました。さらに、2010年に、森林破壊の予防と、労働などの社会面に配慮した原材料調達に向けて「リコーグループ製品の原材料木材に関する規定」(2003年制定の「紙製品の調達に関する環境規定」を発展)を制定しました。

人権に関する取り組み

児童労働や強制労働など、サプライチェーンにおける人権リスクへの関心が高まっています。リコーグループでは、サプライヤーの皆様に対して、児童労働や強制労働の排除を含めた「サプライヤー・パートナー行動規範」の遵守をお願いするとともに、責任者の方に「リコーグループ サプライヤー・パートナー行動規範同意確認書*」に署名していただくことをお願いしています。さらに、定期的な「CSRセルフアセスメント」を通じて遵守状況をモニタリングし、必要な改善を促しています。
2015年10月に施行された「英国現代奴隷法」を受け、欧州地域の販売持株会社であるRicoh Europe Holdings PLCのウェブサイトにステートメントを開示しました。また、近年話題になっている紛争鉱物問題*に対しても、継続的な活動と情報開示を行っています。

*2022年度:リコーグループ サプライヤー行動規範同意確認書提出率98%

児童労働の問題に対する取り組み

リコーグループは、TRM(トータル・リスク・マネジメント)重点活動項目の一つとして、児童労働を取り上げ、関連部門による取り組みを行っています。すでに国内外の生産拠点における児童労働の禁止に関する法令の遵守状況を把握しており、2018年の調査結果から違反の事実がないことを確認しています。また、サプライヤーに対するCSRセルフアセスメントの結果からも児童労働に関する違反の事実がないことを確認しています。今後も、継続的に児童労働に対する監視を行っていきます。

紛争鉱物問題に対する取り組み

コンゴ民主共和国(DRC)とその周辺国、紛争地域および高リスク地域(CAHRAs)で採掘された鉱物のサプライチェーンにおいて、1)企業が鉱物採掘活動を通じて紛争に手を貸してしまうことを回避すること、2)資源産出国が自国の天然資源から利益を得るにあたり鉱物の採掘や取引が紛争や人権侵害、社会不安の源になるのを防ぐこと、を目的に、企業による鉱物資源調達に関する正しい情報開示と意思決定が望まれています。

リコーグループ 責任ある鉱物調達方針

リコーグループでは、2022年に「リコーグループ 責任ある鉱物調達方針」を定め、紛争地域および高リスク地域における鉱物採掘や取引が武装勢力や反政府組織の資金源となり紛争を助長している、あるいは人権侵害、労働問題、環境破壊等と密接に関連している問題を重要な社会課題としてとらえ、サプライヤーと連携してサプライチェーンにおける責任ある鉱物調達の透明性と実践に取り組んでいます。紛争鉱物となりうる原材料の使用撲滅に向けた取組みとして、問題ある製錬所のサプライチェーンからの排除呼びかけや調達部品の特定などを行っています。

リコーグループ 責任ある鉱物調達方針(356KB)

紛争鉱物調査の実施

リコーグループは、「OECD紛争地域および高リスク地域からの鉱物の責任あるサプライチェーンのためのデュー・ディリジェンスガイダンス」に準拠した取組みを進めて取組みを進めることで、デューディリジェンスの透明性向上を図っています。2013年以降毎年、リコーグループの製品に使用される原材料・部品のサプライヤーに対して、紛争鉱物調査を実施しています。サプライヤーに対してはRMI(Responsible Minerals Initiative)*4が提供する紛争鉱物報告フォーマットであるCMRT(Conflict Minerals Reporting Template)やEMRT(Extended Minerals Reporting Template)を利用した報告をお願いしています。サプライヤー別回収率及びプロダクトベース回答回収率は、2025年度までに100%とすることを目標としています。

Step1: 強力な管理システムの構築
リコーグループは、2012年より紛争鉱物問題に対応していく体制、方法の検討を進め、リコー及び国内外のグループ会社の関係部署が参画するワーキンググループ推進体制を構築し、2013年1月に紛争鉱物問題への対応を開始しました。現在は購買部門およびESG部門が中心となって活動を継続しています。毎年、年間計画を策定し紛争鉱物調査を実施しています。2021年度調査からは、調査方針を「コンフリクトフリーの実現を目指す」とした上で、紛争鉱物調査の回答回収効率化を図ることを目的に、紛争鉱物調査データの一元的な管理を始めました。 2022年度には、「リコーグループ 責任ある鉱物調達方針 」を制定し、サプライヤーに対してリコーグループ紛争鉱物調査への支持と協力をお願いしています。

〔紛争鉱物問題に関する教育・研修〕
サプライヤー説明会において、紛争鉱物問題を1テーマとして取り上げてサプライヤーへの情報提供・教育機会の確保に努めております。 また、社内においても、リコーグループ国内外各拠点の購買・資材担当者に対して、年次の紛争鉱物調査に合わせ、責任ある鉱物調達に関する最新の法改正等の動向説明とリコーグループ紛争鉱物調査活動に関する教育を実施しています。加えて、リコーグループ全社・全社員に対しても、紛争鉱物調査の意義やリコーグループの紛争鉱物の取り組みに関する紹介動画を作成し、啓発活動を実施しています。

Step2: リスクの特定と評価
2013年以降、毎年、リコーグループの製品に使用される原材料・部品のサプライヤーに対して、紛争鉱物調査を実施しています。2020年度までは、画像製品など主要製品のサプライヤーを対象に調査を行っておりましたが、2021年度からは調査対象範囲を拡大し、リコーが製造責任を有し販売する全て商品に対して調査を実施し、調査票の回答申告範囲をリコーグループに納品している部品・製品を限定に回答するよう、サプライヤーにお願いしています。 また、近年のコバルトの採掘における安全でない労働環境や児童労働に対する懸念の高まりを踏まえ、コバルトのサプライチェーンの調査も2020年度より実施しています。全サプライヤーに対してはRMI(Responsible Minerals Initiative)が提供する紛争鉱物報告フォーマットであるCMRTやEMRTを利用した報告をお願いしています。

Step3: 特定されたリスクに対する戦略の策定と実施
2020年度からは、一次サプライヤーに対してハイリスク製錬所の情報提供を行うとともに、RMAP(Responsible Minerals Assurance Process)認証取得製錬所への切り替え要請を実施しています。また、二次以降のサプライヤーには一次サプライヤーを通じて川上企業、及び製錬・精製業者に対し、RMAP認証を取得した製錬所への切り替えと認証の取得を働きかけるよう要請しています。回答情報を分析した結果をもとに、ハイリスク製錬所からの調達を行っているサプライヤーからの調達を行っているサプライヤーについては文書等で直接的な製錬所の切り替え要請を行っています。

Step4: 独立した第三者機関による監査の実施
リコーは、2012年5月に発足したJEITA*5の「責任ある鉱物調達検討会」のメンバー企業としてグローバルサプライチェーン全体での取り組みに参画し、電子業界で統一した活動の検討を進めています。また、2019年にはRBAに加盟し、RMIメンバーとしても活動を行っています。対象鉱物の日本の製錬業者関係諸団体へ、製錬業者の照会やコンフリクト・フリー・スメルターの認証取得の働きかけなどを継続的に行っています。

Step5: サプライチェーンのデューデリジェンスの方針と実施状況の開示
リコーの紛争鉱物に関する取り組みは、ウェブサイトおよび統合報告書で毎年公開しています。

尚、トナー製品には紛争鉱物が含まれていないことを確認済みです。

*4レスポンシブル・ミネラルズ・イニシアティブ、紛争鉱物問題に取り組む米国の組織、旧CFSI

*5JEITA(Japan Electronics and Information Technology Industries Association):電子情報技術産業協会

2022年度の調査結果と今後の対応

2022年度は、リコーグループの全世界の第一次サプライヤーに対する調査結果を踏まえ、その年に製造あるいは製造委託した製品に使用される部品や原材料の各々を可能な限り特定し、紛争鉱物の使用に関する調査を実施し、4鉱物の調査については96%の回答を得ました。
調査の結果、RMIが公表しているRMAPにより認定された製錬業者や精製業者と、今回の調査を通じて特定できた製錬業者や精製業者との突合せを行ったところ、RMIが認識している4鉱物の製錬業者のうち229社はRMAP認証を取得しており、コンフリクトフリーであることを特定しました。また、リコーグループサプライチェーンにおける特定された製錬所・精製所総数に占めるRMAP認証取得製錬所率について、2022年度は66%となりました。近年、紛争鉱物調査対象企業の拡大により新たに特定された製錬所・精製所の数が増える一方、RMAP認証取得製錬所がRMI認定から多数除外される傾向にあることから、RMAP認証製錬所率が一時的に減少傾向にあります。引き続き、一次サプライヤーに対して二次以降のサプライヤーに対してRMAP認証取得製錬所への切り替えを要請していきます。
2021年度調査より、CMRT/EMRTの回答申告範囲を会社単位(A:Company)ではなく、リコーグループに納品している部品・製品単位(B:Product)で申告の上、回答するようサプライヤーに依頼を行っており、2022年度はその結果 約8割のサプライヤーに部品・製品単位での回答対応をいただきました。

この一次サプライヤーからの回答情報を分析した結果、一部製品が対象国(コンゴ民主共和国および隣接国)由来の部品や原材料を含有している可能性があることを確認しました。そのため、関係する一次サプライヤーについてデューディリジェンスを実施しました。本調査への回答がなく、ESGセルフアセスメントの評価結果より改善の必要性があると判断される企業については、サプライヤーと今後の取引について協議します。更に、2020年度より、リコーグループに対してコバルトを含む製品や部品を供給したサプライヤーを特定し、コバルトサプライチェーンの調査を進めています。2022年度の調査対象サプライヤーからの回答回収率は92%で、特定されたコバルト製錬所・精製所総数72社、うちRMAP認証取得精製所数は39社となりました。

今後も引き続き、JEITAやRMIなどの業界団体との連携及び、デューディリジェンス活動を継続していきます。

2020年度 2021年度 2022年度
合計 タンタル スズ タングステン
製錬所・精製所総数 300 332 345 175 37 85 48
RMAP認証取得(コンフフリクトフリー)精錬所・精製所数 228 229 229 95 33 61 32
RMAP Active*5 製錬所 12 18 9 4 1 4 0
その他*6 RMI認定製錬所 60 85 107 76 3 20 16
RMAP認証取得製錬所率 76% 69% 66% 54% 89% 72% 67%
調査票回収率 94% 95% 96%

コバルト
2020年度*7 2021年度 2022年度
製錬所・精製所総数 35 63 72
RMAP認証取得(コンフフリクトフリー)精錬所・精製所数 9 30 39
RMAP Active製錬所 10 5
その他RMI認定製錬所 23 28
RMAP認証取得製錬所率 26% 48% 54%
調査票回収率 85% 95% 92%

*5 RMAP Active: RMAP監査中、もしくは監査を受けることを約束している製錬所/精製所

*6 その他: RMAP Conformant/Active 以外のRMIの認定製錬所

*7 コバルト調査: 2020年度はトライアル調査のため、限定したサプライヤーに対して調査を実施

特定された製錬所情報は、 リコーグループサプライチェーンにおけるRMI によって認識された製錬業者/精製業者一覧リストをご覧ください。

Tap to see the table

外部団体への参画

リコーグループは以下の団体と連携し、紛争鉱物の課題解決に向けて、業界全体として取り組んでいます。

サプライチェーンのBCM(事業継続マネジメント)

自然災害から国際情勢の変化、感染症の拡大など、リコーグループの広域なサプライチェーンを取り巻くリスクは多岐にわたります。一方、東日本大震災以降、有事に際してもお客様の事業に影響をおよぼさないリスクマネジメント能力が取引要件として強く求められるようになっています。リコーグループでは、お客様の事業を止めないことと、社会インフラ企業や団体の継続維持を最優先することを基本方針に、地震・津波、水害などの広域災害や火災、事故、新型インフルエンザや新型コロナウィルス(COVID-19)を含む感染症などを対象として、製造拠点の二重化や部品調達系列の二重化、材料や部品在庫の積み増し等、とぎれることのないサプライチェーンを構築し、企業集団としての事業継続能力向上に取り組んでいます。

サプライヤーホットラインの開設

リコーは、リコーグループ各社の役員・従業員による、法令・規則、「リコーグループ企業行動規範」に対する違反行為、およびサプライヤー様との契約に違反する行為について、サプライヤー様よりご通報いただく窓口「サプライヤーホットライン」を設置し、定期的にシステムテストを行い、維持運用を行っています。
2022年度は、サプライヤーホットラインへの通報に適切に対処致しました。

(1)「サプライヤーホットライン」の受付内容

リコーグループ各社の役員・従業員の行為が、法令・規則、「リコーグループ企業行動規範」、 あるいはサプライヤー様との契約に違反している(またはそのおそれがある)と認識された場合には、具体的な情報をこの「サプライヤーホットライン」までご連絡下さい。
尚、事実と異なる、あるいは誹謗・中傷・脅迫・業務妨害など不正な目的をもってのご通報はご遠慮下さい。

(2)「サプライヤーホットライン」へのご通報の方法

「サプライヤーホットライン」へのご通報は、このホームページのご通報フォームで受け付けています。原則として実名での通報をお願いいたします。匿名での通報も受け付けますが、その場合は事実関係の確認等に限界があり、十分な調査を行うことができない可能性があります。また、対応結果等についてご連絡できないことをご了承ください。

(3)ご通報に対する対応

「サプライヤーホットライン」へのご通報内容は、リコーの通常の調達取引に関与しない担当部門にて受信し、事実関係を調査致します。調査の結果、是正措置が必要な場合は、迅速に対応を図ります。
リコーグループは、ご通報頂いたサプライヤー様に対して、通報したこと自体を理由として不利益に取扱う行為は致しません。

(4)個人情報の取り扱いについて

本フォームで収集した個人情報は、ご本人の同意がある場合および法令に基づく場合を除き、事実確認、調査等のために必要な者以外に開示せず、お問い合わせの回答および対応上必要な手続きにのみ利用させていただきます。
これらの個人情報は適切な安全対策の下に管理し、調査等を通じて情報提供されたサプライヤーの皆さまに不利益など生じないよう、その管理を徹底致します。事前にお客様の同意なく第三者への開示・提供はいたしません。
なお、本フォームで収集した個人情報およびお問い合わせ内容は、事実確認、調査等のために必要な範囲で、またご本人へのお問い合わせ、返信の目的及び品質向上のためリコーグループ関係部門で共同利用させていただきます。
個人情報の取り扱いについては、個人情報の取扱いについてをご覧下さい。

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