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イベント・レポート -0001-

第69回 職域団体対抗将棋大会

月 日 :1995年10月
場 所 :東京都千代田区 日本武道館
リポータ:谷川俊昭

目次

職団戦について
S級 予選
S級 決勝トーナメント

【編者注】リポータも、以下の様に言っていますので、了解ください。
 谷川です。勢いで(飲んでる訳じゃありません)書いてしまうので、多少不穏当な表現が出てくるかも知れませんがご容赦下さい。

職団戦について

 職団戦は今回で、69回目。
 日本将棋連盟の主催、朝日新聞社、日本武道館の後援で、毎年、春と秋、日本武道館で行なわれます。
 参加資格は、同一企業の社員から構成される1チーム5名。今回の参加チーム数は586チーム。補欠も合わせて、約3000名が一同に会す光景は壮観です。日本一の将棋大会と言っても良いでしょう。

 これだけのチーム数ですので、S級からF級まで、7チームにクラス分けされます。それでも、優勝までは5〜6回勝たねばならず、大変です。

 リコーは幸い、この15年間で8連覇を含み、A級で20回の優勝を果たしています。しかし、ライバルチームも徐々にレベルアップし、最近は、リコーも苦戦を強いられています。

 さて、2年前まではA級が頂点だったのですが、参加チーム数の増加、一部の強豪チームと他チームとの力の差がはっきりしてきたこともあって、A級の上に8チームから成るS級が新設されました。

 リコーからは7チーム、加えて東京リコー1チームが参加しましたが、S級の2チーム以外は早々と敗退した模様です。せいぜい東京リコー(B)が3回戦に進出したくらい。3軍(A)が、1−4、2−3の2連敗で、来期は降級が懸念されます。

S級 予選

 さて、S級ですが、上記のように8チームの予選形式になって今回が3回目。抽選の結果は以下のようになりました。なお、各組の上位2チームが決勝トーナメント(ベスト4)に進めます。

団体名
1組アルゴリズム研究所
プロセス資材
東芝
リコー(1)
2組毎日コミュニケーション(1)
毎日コミュニケーション(2)
日立製作所
リコー(2)

 前回も、組合せが非常に極端になり、強い4チームと弱い4チームが分かれたような感じになりましたが、私の事前のお祈りが聞いたのか、1組に強豪が集中しました。もっと言えば、毎コミ(1) と東芝が入れ変わっていたら最高でしたが・・・。(とは言え、結果的には、決勝戦は2組同士だったのですが・・・)

 さて、リコーのメンバはレーティング順で、以下の通りでした。

1軍 菊田笠井野山佐々木
2軍 瀬良谷川牧野浜下坂下

予選1回戦

東芝 3−2 リコー(1)

何と、比較的楽と思えた東芝に競り敗けてしまいました。残りの相手を考えると大ピンチです。先日の四社対抗でリコーのメンバが揃わず(これは半分以上私の責任)、大敗したのも一因だったかも知れません。

毎コミ(1) 3.5−1.5  リコー(2)

こちらは、全く力敗けと言った感じ。リコー(1)もそうでしたが、大将、副将と敗けてはどうしようもありません。なお、0.5は小川vs牧野戦。千日手2回で半星になりました。1回目はともかく、2回目は両者ほとんど戦う気なし(初手から30秒ですから大変ですが・・・)。指導ものです。 優勝写真をDC−1で撮って、WWWに載せるつもりできたのに、最悪のスタートになってしまいました。

【編者注】それでも、DC−1で撮った画像を、掲載予定です。 しばらく、お待ち下さい。

予選2回戦

リコー(1)  4−1 プロセス資材

ようやく目がさめたか、ライバルに圧勝。これで4チームが1勝1敗で並び、とにかく、次に勝ったチームが決勝トーナメントです。

リコー(2) 5−0 日立

浜下が竹中元アマ名人(浜下は竹中氏を知らなかったらしい)にゴリゴリ攻めで快勝するなど、完勝。ここは毎コミ(1)が頭抜けており、予選通過の可能性がかなり高くなってきました。

予選3回戦

アルゴリズム研究所 3−2 リコー(1)

宿敵アルゴとの対戦は僅かに及びませんでした。残念というしかありません。菊田が鈴木アマ名人を破ったのですが、もう1勝が入りませんでした。残念としか言いようがありません。

リコー(2) 4−1 毎コミ(2)

毎コミも今回2チームSに出してきましたが、ここは多少力の差があります。しかし、結果的には楽勝に見えますが、牧野と坂下のオカルト勝ちがなければ大変なところでした(浜下がトン死してなければ、何ともなかったが・・・)

予選結果

順位団体名勝点
1組1位プロセス資材
2位アルゴリズム研究所
3位リコー(1)
4位東芝
2組1位毎コミ(1)
2位リコー(2)
3位日立製作所
4位毎コミ(2)

S級 決勝トーナメント

 予選の結果、決勝トーナメントは、

・プロセス資材 × リコー(2)
・毎コミ(1) × アルゴリズム研究所

 という組合せとなった。

決勝の対局風景
決勝の対局風景(JPEG,100K)

 プロセス対リコー(2)というのは、前回の準決勝と同じである。プロセスは小島君が退職したため、その分、多少、力は落ちている。何とかなる、いや何とかしなければと盤に向かった。メンバ構成は迷ったが、実力的には多少劣るくらいで、勝負にはなると考えたため、予選と同じ、正攻法の並べ方にした。
 大将から

・瀬良 × 青野
・谷川 × 遠藤
・牧野 × 石田
・浜下 × 河上
・坂下 × 小林

 遠藤君と当たった時は個人的にはがっかりしたが、自分が勝てばチームも勝てるとも思った(実際には、勝った記憶はほとんどないのだが)。ワンパターンの対穴熊に棒銀だが、中盤で早くも必敗形。とりあえず開きなおるために自分だけ秒読みにした。瀬良君は優勢のようだ。

 時間攻めとあまりの優勢に緩んだのか、遠藤君の手が乱れてきた。詳しくは棋譜鑑賞のコーナーを見ていただくとして、穴熊に何故か手がついて、最後はきれいな即詰め。瀬良、牧野も勝っており、これで3−2の勝利となった(実は、浜下の嬉しそうな声が対局中聞こえたので、既に勝利は確定したかと思っていたのだが・・・)

 さて、思ってもいなかった決勝戦。相手は予選で1−4と惨敗した毎コミ(1)である。さすがに週刊将棋で、毎日のように将棋に接しているだけある。古作、下村の二枚看板には、予選で、瀬良、谷川が敗退している。普通に組んでは勝てそうもない。

 ここで初めて、メンバ編成を大きく変更した。大将戦は記録を採るのは知っていたが、坂下君に座ってもらう。以下、組合せは

・坂下 × 古作
・浜下 × 薄井
・瀬良 × 伊藤
・谷川 × 小川
・牧野 × 下村

 かなり期待の持てる組合せとなった。2、3、4と勝てれば理想的だ。小川君には「王者リコーが姑息な手を使うとは」と、笑われてしまったが、まあ、お互いの実力を考えれば仕方ないだろう。

 さて、結果だが、惜しくも届かなかった。浜下、谷川が勝っての2ー3。瀬良君の将棋はかなりチャンスがあったそうだが、相手の伊藤君の指し回しが素晴らしかった。

 こうして、今回の職団戦S級は、第2チームの準優勝に終わった。皆、それぞれ、力は出し切ったと思うが、悔いの残る点、教訓も残したと思う。

 第1チームは勝越しながら、急所で競り敗けた。特に諸戦の敗けが痛かった。第2チームは、多少組合せに恵まれたとはいえ、良く健闘したと思う。後、一歩だった。

リコー(2)の表彰
リコー(2)の表彰(JPEG,72K)

 また、次の大会を目指して頑張ろう。


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