イベント・レポート

2004年度リコー将棋部冬合宿

年月日:2004年12月11日〜12日

場所:神奈川県湯河原「杉の宿」

リポータ:細川 大市郎

【序章】

 12月某日、恒例のリコー将棋部冬合宿の季節がやってきた。今回で2回目の合宿委員、前回は頼まれていた合宿レポートを書かず中国語の勉強にいそしんでいた為(笑)、合宿委員長の星出様から戦力外通告を受けそうになったが、今回、司会からレポートまですべてやる事で許してもらった。

【合宿にむけて】

 宿の方はアンケートで人気があった杉の宿にすんなり決まった。杉の宿は学生の頃からよく利用しており、価格も安く、もはや定番となりつつある。宿が決まれば後は参加者を待つばかり。あれ?全然人が増えてこないぞ!合宿直前になってもまだ20数名という状況。このままではせっかく考えた企画がもったいないので急遽ゲストの参加を募ることに。数日間いろいろな人に連絡を取った結果、通称「とんかん」こと山田敦幹(あつもと)アマ名人を始め、学生から女流まで幅広く参加の返事を頂くことができ、なんとか人数も40名近くになった。

【当日朝】

 「いきなりやっちゃったー。なんでロマンスカー満席やねん!」ということで、わざわざ新宿に集まってもらったゲスト9名を引き連れブーイングの中東京駅へ移動、快速アクティで行くことに。道中は疲れから爆睡していたが、到着直前に星出様から電話が。「主将が仕事でダメになったよ。細川2面で指してな。では。ガチャ。」・・・・しばらく事態が把握できないでいたが、どうやら自分も昼の部の企画で2面指しをしなければならなくなったようだ。「あーあ、大変だな」と思いつつ洋次さん来られなくなって残念。

【昼の部1】13:00〜

 今回は初の試み団体戦。これは元々夜の部やったらどうかという話が出ていた時に、山田主将から「せっかくやるなら時間がとれる昼の部でやったらどうか」という意見が出て決定。チーム分けは合宿委員がレーティングを元に割り振った所こうなった↓

 表を見て頂ければ分かるように、屋敷師範と山田アマ名人と私は5人チームと当たると2面指し。先ほど電話での「2面指しで」というのはこういう事だ。この2面指し、私は何度か経験があったがやはりきつい。左右から30秒でまくし立てられ、谷川さん相手に普通に時間が切れてしまった。しかしさすがは屋敷師範、2面をものともせず全勝。山田アマ名人に至っては、双方が秒読みになる前に片付けていた。
 結局優勝は私、坂下さん、小林真理ちゃん、袖山さんの『早稲田・坂下軍団混合チーム』。対戦結果がすべて3−2であることからも分かるように、まさにチームワークの勝利だった。準優勝には葛山君、谷川さん等がいる『若手・古豪(失礼)混合チーム』が続き、以下8位まで比較的混戦といってよい結果だった。

【昼の部2】16:00〜

 当初昼の部は団体戦だけの予定だったが、「ある理由」があって10秒将棋トーナメントをすることに。団体戦の同星同士でトーナメント戦を行った。結果はこんな感じ↓(ちなみに屋敷師範は不参加)

 3−0の部の優勝は葛山君。慶応大学の院生で、リコー将棋部からドラフト1位指名!?の呼び声が高い学生強豪だ。彼はこの後再び登場することとなる。
 昼の部が終わってさあ宴会だ・・・と思ったら、まだ将棋をやっている人が・・・。「Mr.リコー」こと太田さんと「将棋はオーラ」こと伊藤君だ。宴会が始まるので練習将棋は止めて下さいよと言おうと思ったら、10秒将棋トーナメントの決勝戦だった。局面はまさに泥仕合。みんなが宴会場に移って誰もいなくなった対局場に太田さんの「チッチッチッ」という舌打ちが響き渡っている。そのおかげ?か伊藤君のオーラが次第に枯れていき、太田さん執念の勝利となった。いい思い出ができてよかったですね(笑)。

【宴会】18:00〜

 待ちに待った宴会。宴会の恒例といえばクイズだが、毎回同じではマンネリ化するという意見が出て今回はビンゴをやってみる事に。商品の一部を紹介すると、ペットボトル加湿器や電気毛布、サンタクロース変身セット!?等、結構当たり外れがあるといった感じ。始まってちょっとするといきなり「ビンゴ」の声。声の主は東大将棋部現主将鈴木豚光君。当然の如く一番高い商品を持っていく。全く、将棋は全敗のくせに、ツキだけは相変わらずだ。その後しばらく膠着状態が続いたが、一人ビンゴしたのを皮切りに、次々とビンゴが出だしてあっという間に商品がなくなった。もはや罰ゲームに近いような商品(失礼)しか残ってない中、屋敷師範が「ビンゴ」。顔は笑顔でしたが商品をもらう手は震えていた?!ような・・・(冗談です。喜んで受け取って頂きました。)
 その後は各々会話を楽しみ、ほどなくお開き。私はさっそく露天風呂に直行しようとした所、星出様から「後かたづけよろしく」と一声。気は抜けません(笑)。

【夜の部】21:00〜

 以前から企画段階で一度はやってみたいという声が上がっていた「次の一手名人戦」。今回夜の部の企画として実現することとなった。ルールは将棋の日にNHKでテレビ放映されているやつと同じ。問題は対局者をどうするかだか、一人は文句なしに山田アマ名人に決定。そうなると山田VS屋敷戦の再現はと思われたが、屋敷師範には解説者をやって頂く事になった。結局昼の部の成績優秀者から代表を決めようという事になり、前述した「ある理由」が明らかに。そう、代表は葛山君だ。本人は「いやあ〜(口癖)」といっていたが、まんざらでもない様子。聞き手は私がやる事に。

 山田さんは予想通り(これしかできない)三間飛車。対して葛山君は得意の急戦を捨て居飛穴に。第1回出題は19手目で候補手は「1八香」、「5七銀」、「その他」。大方の予想は穴熊を目指す「1八香」だが指し手は無情にも「5七銀」。太田さんの「とんかんさんは先に銀上がるんだよねー。棋譜並べてればわかるよ」という声が響く。さすが山田さんに対して今だ負けなしの実績を誇るだけのことはあり、よく勉強されている(笑)。私も知らなかったが、山田さんによると「先に5七銀が常識」だそうだ。これで一気に人数が一桁台になり、急遽残り二人になるまで全滅はやり直しというルールを作った。しばらく膠着状態が続いていた局面は飛車交換を皮切りに激しく動く。そして次の一手の方は、73手目「2五歩」(絶妙手)が終わった時点で2人に絞られた。一人は中村女流プロ。彼女は筋のいい本格派の将棋なので、この異常感覚ともいえる二人の手を当てたのはびっくりだ。
 そして、もう一人は棋力が急成長中の勝又さん。このまま正解し続ければアマ名人へ一直線!?そして83手目ついに次の一手名人誕生の時が・・・。候補手は「3七金打」「3三桂」「その他」で勝又さんは「3七金打」を選択、対して中村プロは「その他」。私は3三桂で受けがないので両方はずれだなと思ったが、実際の指しては4二金!で中村プロみごと正解。リコー合宿第1回次の一手名人に輝いた。
 次の一手名人が決まっても公開対局は続き、この4二金が実は大悪手。87手目で結局3三桂としたが、この場合は5九の龍が受けに利いているので5一歩!と受ければ逆転していたのではないだろうか。しかし本譜は3三同金としたため、以下3一銀から山田さん冷や汗ものの勝利となった。アンケートでもこの企画は好評だったようで、次回は小学生対決や女流対決など色々な組み合わせを考えてまた実現したい。
 この後は各自自由行動。夜食のおにぎりを食べながら、自由対局や麻雀に興じる者、風呂に入って一杯やる者、はやばやと寝てしまう者などそれぞれの長い夜は更けていった。

【2日目】

 ペア将棋をやったり深夜にコンビニ(往復1時間)に行ったりして結局1時間ぐらいしか寝ておらず、ふらふらしながら対局場へ。朝からパチパチと将棋を指す音を聞くと、将棋部の合宿に来ていることを思い出す。うとうとしながらも朝食をすませ、帰り支度をすると早速表彰式&会計。仕事はまだまだ待っている(悲)。今回の商品はお決まりの将棋本に加え、屋敷師範と中村女流プロに直筆で扇子を書いていただいた。
 表彰式の後は迎えがくるまでフリー対局(一部麻雀)。杉の宿は通常15時までいる事ができるのだが、私はゲスト数人と共に昼頃に帰る事にした。何とか無事終わったなあと思ったら、携帯をタクシーの中に忘れる。またもやゲストの方々に迷惑をかけてしまった。ほんとすいません。帰りもどっと疲れが出て爆睡となったが、仕事をやり遂げたような充実感があった。

 皆さんどうでした?楽しんでいただけましたでしょうか?これを読んで参加したいと思った方は、次回6月に夏合宿が行われますので是非ご連絡下さい。もちろんリコー将棋部員は必須ですよ(笑)。ではこの辺で。


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