イベント・レポート

第14回全国障害者将棋大会

 〜〜〜1部4位に〜〜〜

日時:2001年10月28日(日)10時〜18時

場所:東京都障害者福祉会館

リポータ:宮田 暁 e-mail : akira.miyata@nts.ricoh.co.jp


【10時ギリギリに到着】

 私はお手伝いで9時に到着して机、椅子の位置設定をするつもりだったが、実際は寝坊してしまい10時ギリギリに到着。前日に銭湯に二時間も入っていたのがまずかったようだ(^^;到着した時は、もう既に机には将棋盤とチェスロック時計が置かれていて、挨拶が始まっている。
 会場に入ってみると、審判員、司会者、手話通訳者、車椅子の方、視覚障害者、聴覚障害者、介添で来られた人などがいる。
 手話通訳を申請している聴覚障害者にはオレンジ色の腕巻きを腕に巻く事になっている。私も聴覚障害を持っていて、手話通訳を申請していたので、オレンジ色の腕巻きを受付で渡された。

 周りを見てみると、リコー将棋部在籍の人が例年より何人かがいる。今回、リコー将棋部の人が多いのは、毎年来て頂いている運営スタッフの多くが別の将棋大会の運営で手一杯なため、運営で手伝ってもらう事になったためである。


【開会式】

 会長の挨拶に続き、協賛会社であるリコーの代表としての谷川俊昭さんの挨拶である。挨拶している人のそばに手話通訳者がついている。次は所司和晴六段、谷川治恵女流四段、宇治正子女流二段の紹介が行われた。
 次はルールの説明。例年は東京アマチュア将棋連盟の方が説明しているのだが、今回は別将棋大会の運営で不在のため、代わりにリコーの谷川さんが説明。

 私はあらゆる将棋大会に参加しているが、参加する大会には必ず挨拶とルール説明がついていて、聴覚障害を持っている私は、いつも話の内容がつかめずぼーっとしている場合が多い。手話通訳がついて、所司先生のお話も理解できて良かったと思っている。


【試合開始】

 4回戦からなる大会が始まる。四段以上の1部、有段者の2部(2クラス)、級位者の3部(3クラス)に分かれている。
 視覚障害の方は専用の盤を使う。また、身体の不自由な方は介添の方に指し手を言って、指す。
 1部と2部はチェスロック時計使用する事になっていて、持ち時間は25分30秒。3部は時計なしで進行。
 私は一部に参加。

以下は四回戦までの自戦記です。


【一回戦】

○ 宮田 VS 高岡寿×
 対戦相手は車椅子の人である。
 彼は手もやや不自由で満足にチェスロックを押すことができないとの事なので、代わりにチェスロックを押してもらう方が付くということになった。
 いよいよ対局開始。振り駒して、私が後手番に。相手が初手▲76歩と指す。角道を開ける手である。介添の方が初手を指したのを見てチェスロックを押す。私はチェスロックが押されたのを確認して、△34歩と指す。この手も角道を開ける手である。その手を指した瞬間に相手は角交換して来られた。私は筋違い角戦法か、と思ったが、そうではなかった。相手は角交換後に角を打って来ずに四間飛車に構えてきた。私は普通の居飛車で対抗。中盤で相手のミスが出て、それに乗じて優勢になり、そのまま押し切る事ができた。



【二回戦】

○ 星山昭 VS 宮田 ×
 相手は三筋位取り急戦向かい飛車を採用。その戦法に対する対抗策は知っていたのだが、腰を据えて読まなかったために応対を間違えて、序盤の終わりの段階で8:2くらい不利になってしまう。王様に迫っていく手を指したりしたが、もう既に取り返しのつかない将棋になっていて、最後は詰まされて投了した。
 この二回戦は私にとっては不本意な将棋である。取り返しの着かなくなるような将棋になる前に腰を据えるべきだった。
 この二回戦で負け、目標の優勝の可能性がなくなった。しかし、4位以上の入賞の可能性はある。とりあえず、残りの2戦は勝つつもりで頑張りたく思った。



【昼休み】

 二回戦が終わり、次は昼食の時間である。昼食後、会場の周りをぶらりとした。待ち合わせ室に血圧計が置かれている。高血圧で警告を受けた事がある私は恐る恐ると計ってみた。結果は普通より高めだったが、警告を受けた時よりも低かったのでとりあえずは安心。
 私はあるジムに所属しているが、最近ジムへ行っていない。運動不足、および高血圧の解消にジムへ行きたいと思っている。



【三回戦】

○ 宮田 VS 杉本岩雄 ×
 昼休みが終わって三回戦開始である。三回戦が始まっているのに、対戦相手がなかなか現れてこない。待つこと15分、ようやく対戦相手が現れ、対局開始。  振り駒して、私が後手番に。戦形は相矢倉となった。私の好きな戦形の一つである。後手番ながら、序盤から主導権を奪う事ができた。対戦相手が私の攻めに対する対応を間違えて、私側が優勢になりそのまま押し切ることができた。



【四回戦】

○ 宮田 VS 久根口勇×
 相手は風車戦法を採用してきた。飛車先を逆襲されて、応対を間違えたために私がやや苦しい展開になった。中盤では私側の陣にと金を作られていて、敵陣は手つかずである。私は対戦相手の玉側の端にスキありと見て端を攻める。その攻めでも苦しく感じていたが、その攻めを境に相手がミスを連発してしまう。そのミス連発に乗じて、形勢が逆転した。最後は敵玉に必死をかけて勝利。
 この将棋は冷や汗ものだったが、運が良かったと思っている。


 私は全ての対局を消化し、決勝戦の宗方さんと北川さんの対局の観戦に移動。宗方さんは一昨年から二連覇している強豪で、この決勝戦で勝てば、三連覇となる。結果は北川さんの勝ちとなった。
 私が二回戦で負けてしまった時、実力的に宗方さんが優勝するだろう、と思っていた。その宗方さんがやぶれて、結構な強者が隠れていたものだとびっくりした。


【表彰式】

 表彰式に出るのは一部の優勝者と準優勝者と二部各クラス優勝者(二名)、三部各クラス優勝者(三名)である。
 私は四位なので、表彰式に出られなかったが、賞品は表彰式の前に頂いている。頂いた賞品は500円分の図書券であった。


【最後に】

 一部の人はほとんど一生懸命な人だったが、会場全体を見ると楽しみながら指している人も見かけた。私は、この大会に参加する人は一生懸命な人もいれば、楽しむのが目的で参加している人もいるのだな、と思った。  私は来年も身体障害者将棋大会に参加したいと思っている。三位以上を目指したい。

 最後になりますが、ボランティアでお手伝いに来てくださった多くの方々にお礼を申し上げます。


 (完:記01年11月09日)


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