イベント・レポート

関東団体戦〜だんご3兄弟〜

年月日:1999年6月12日(土)

場所:南浦和駅前囲碁将棋チェスクラブ

リポータ:谷川 俊昭 e-mail : tanigawa@cspd.ricoh.co.jp


去年も原稿を書いたこの大会。去年はリコーメンバーで神奈川チームを組み、見事に優勝を飾ったものだ。今年はメンバをどうしようか?幹事である私はいささか悩んでいたが、この際、今年は意表をついた楽しいメンバ(もちろん、優勝は密かに狙っていた)で臨むことに決め、メールで依頼して次のお二人に出場を快諾していただいた。

主将は慣例により、アマレン幹事の谷川が務める。

副将は女流名人の棚田真由美さん。アマ女流棋界のトップである。将棋のライバル会社である富士通勤務だが、リコーの合宿にも何度か顔を出してくれている。通称たなちゃん。

「女王様とお呼び!」のせりふは、今年の失冠で使えなくなってしまった。

三将は将棋倶楽部24(http://www.shogidojo.com)席主である久米宏さん。有名なニュースキャスターと同姓同名。インターネット将棋道場としては、現在もっとも充実していると思う。一度、覗いてみられることをお勧めする。今の肩書きは将棋倶楽部24第1期竜王だが、20年近く前は、私と神奈川代表を争った実力者である。

なお、副将を棚田さんにしたのは、私がたなちゃんのなるべく側にいたかったからである。ただ、それだけです。たなちゃんといえば、いつもジーンズのイメージが強かったが、この日は白のミニスカートで、思わず私の目が引き込まれていた。

今年も、栃木、埼玉、チーム数調整の羽生棋友会と神奈川の4チームとなった。関東とうたうからには、千葉、茨城、栃木も以前は来ていたはずだが、困ったものである。この大会の人選に悩むのもこのためだ。そろそろ企画の練り直しの時期ではないだろうか。

ともあれ、抽選で、1回戦は、本大会の主催者である内山治久さん率いる埼玉チームとの対決となった。先手を握った私は気合でカニカニ銀に誘導。内山さんも凝った対応を見せ、私が押え込まれそうな不本意な展開となった。隣を見てみると、二人とも四間飛車。

たなちゃんは苦しそうだが、久米さんは寄せの体制に入っている。時間がないのが、気がかりだが・・。

となると、自分の将棋が勝負。時間も切迫してきたが、玉の薄さをもろともせず勝負に出る。私のパターンとは言えるが、正直恐かった。内山さんにもチャンスはあったと思うが、結局逃げ切り。これでチームの勝利を決定と思いきや、何と久米さん、逆転負けしている。本人曰く「どうも、僕は中盤で湯水のように時間を使っちゃうからなあ・・」

まあ、仕方ないや。気を取り直して皆で昼食へ。栃木の幹事の成木清麿さんにうかがうと、栃木の選手はレーティング大会の上位者から選抜してきたようだ。どこかの県とは大違いである(^^;)。栃木はやはり桐山隆さんが第一人者(今回は出てないが)、懐かしいところで、大多和裕さんも健在だそうだ。私もまだまだ頑張らなくっちゃ。

さて、2回戦。相手は初戦3−0で栃木を破った羽生棋友会。読み方が判らない方は、去年のイベントレポートを見て下さい。ここで勝てば、まだ逆転優勝の望みなきにしもあらずだ。私は前局に引き続いてのカニカニ銀。これは会心の一局と言えよう。相手の指し方がややおとなしかったの救われたのだが、居玉のままぶっ飛ばした。

さて、早く終わったので、他の二局を見ると、久米さんは敵の居飛車穴熊にてこずっていて、駄目そうだ。すると頼みはたなちゃん。浅井氏(私は去年戦った。強敵である)相手に良く戦い、はっきり勝ちになっている。そんな時、自殺手が出てしまった。まあ、秒読みだったから仕方ないか…・。勝っていれば、全チームが1勝1敗になり、大会としても面白くなっていた。

最終戦。チームと個人の初白星をかけて、栃木チームと戦う。隣を見ると、これで二人とも3局連続の四間飛車である。他に芸はないのかねえと思うが、私とて人のことは言えない。よほどカニカニ銀と思ったが、後手になったので、角換りから強引に後手棒銀に向かう。途中、新手(厳密には見た記憶があるので新手とは言えないかもしれない)も交えて、駒損ながら飛車を成り込んだところでは、そこそこの分かれか。その後、ぎりぎりの戦いが続いたが、何とか寄せきり、個人的には嬉しい三連勝となった。

隣の二人は、今度は二人とも苦しそうだ。終局後の二人のせりふを紹介しておこう。

棚田さん「お力になれなくてすみませんでした。だんご三姉妹とだんご三兄弟です(^^;)」久米さん「いや、久しぶりに普通の盤駒を使った(普段はPCなので)けど、感覚が違いますね。すみませんでした」

谷川「マウスでも置いとけば良かったですか(^^)。でも、入賞しても大きな賞品もらうだけみたいだし(私は、自宅に帰らず、翌日成田を立つので、荷物が増えるのはあまり歓迎できないのだ)、楽しんでもらえれば良かったですよ」

結局、優勝は3連勝で羽生棋友会となった。

そんな訳で、黒ダンゴを三つ並べたたなちゃんは「こしあんの、たくさんついたあんだんご(三姉妹)」久米さんも「あんだんご(三兄弟)」となってしまった。白星をきれいに3つ並べた私は、「白だんご三兄弟」なのだろうか。

軽くどうですかということで、駅前で反省会。まあ、楽しかったから別に反省しなくてもいいや。久米さんは、女流名人と私に会えて楽しかったと言ってくれた。3人で、アマ女流棋界と、久米さんの将棋倶楽部24について話がはずんだ。棚田さんは翌週の国際将棋フォーラムにも選手として出場する。ぜひ頑張ってほしい。

その他、とてもここには書けない話も飛び出した。思わずドラえもんのポケットからタイムマシンを出したいと思ったが、これはかなわぬことか。

棚田さんは一足先にお帰り。久米席主も、24の今日の対局準備のため海老名に戻るという。私の目的地も新宿のカプセルホテルかサウナ。埼京線の車中、酔った二人は、途切れることなく、しゃべりまくっていたように思う。 楽しい1日だった。来年もこの3人で、今度は白いだんごを並べようかな(^^)。

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