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イベント・レポート

英春の全国巡回千人斬り&リコー将棋部新年会 (1997.2.8 土)

リポータ:谷川 俊昭 e-mail : tanigawa@cspd.ricoh.co.jp

 鈴木英春さん。
 このページの読者なら、いまさら説明する必要もないだろうが、奨励会を年齢制限で退会し、NHKの「煙が目にしみる」のモデルになり、アマ棋界に戻っても、独特の序盤作戦である「かまいたち戦法」で、アマ王将を2期獲得、三一書房からも、「かまいたち」を中心に棋書を5冊執筆されている。
 40代になった今も将棋に情熱を燃やし続けている人である。全く、うらやましい人で、奥様がよほどできた方なのであろう(^^)。
 現在は、近代将棋誌上で、「英春の千人斬り」と題して、「かまいたち号」に乗って全国を回り、アマ棋客1000人と対決する企画を行なっている。
 ちょうど、千局の折り返し点を過ぎたあたりで、勝率は9割強。大した数字だと言える。
 勝負はもちろん争うのだが、英春さんのもう一つの狙いは、千人という人数にこだわっているように、多くのアマ棋客と交流、親睦すること。
 これも、一つの将棋普及と言えるだろう。
 
 その、英春さんの全国巡回千人斬りを、リコー将棋部でもご招待することになった。

  場所はリコー大森会館。
  開催日は2月8日(土)。

 そう、実は、痛いことに、既にレポートされている「全日本選手権」とダブルブッキングしているのだ。
 中心選手である南が事務局として将棋会館に行っている。
 一番痛いのは、西田レポーターが「全日本選手権」に行ってしまっていること(^^;;)。
 それで、やむなく、主将である谷川が本レポートを書いているという訳。ま、たまにはいいでしょう(^^)。
 
 開始時刻である10時を少し過ぎて大森会館に到着してみると、駐車場に立派なワゴン車が止まっていた。
 あれが、かの有名な「かまいたち号」だなと思いつつ、会館に入ってみると、「あら、お早うございます」との明るい女性の声が。
 顔を上げてみると、合宿にも来てくださった「しゃきしゃきのマドンナ」こと小野さんと、「藤沢のマドンナ」(本コーナー初登場!)こと中丸馨子さんではないか。
 連絡を受けていた「単騎突進のマドンナ」こと早水女流プロも既に到着していた。
 これで、今日の女性参加者は4名。
 リコー将棋部の「将棋を女性に広めよう」運動は着実に進行している(^^)。
 
 えっ、一人足りないって? 実は、今日は英春さんの千人斬り以外に、いくつかの意味があったのだ。
 まず、夜は新年会だが、それには新入部員の伊東と、リコー将棋部創部以来の女性部員である西川(彼女は、私の仕事柄というか何というか、ホームページが縁で入部してきた(^^))の歓迎会も兼ねていたのだ。
 その他、私のマジックデビューというのもあったが、それはまあいいとして・・・。
 
 さて、毎回10人近くはこなしたいという英春さんの意向で、採譜する私とのメインイベント以外は10分30秒という厳しいスケジュール。
 最初に英春さんのノートに住所氏名を記入、最後に対局カードをいただき、自費出版の「かまいたち」を購入する仕組みになっている。
 さっそく、元学生王将で金沢大大将である濱下が挑戦していく。
 観戦する部員よりは、部員同士でレーティング戦を戦う者の方が多いようだ。
 一発を期待したが、あえなく敗退。
 その後、「しゃきしゃきのマドンナ」も挑戦してくれた。
 午前中は手空きの部員が戦ったこともあり、英春さんの4連勝。
 私は、メインイベントまでは裏方として、部内レーティング戦の手合係に徹していたが、午前中のこの結果に、リコー将棋部としては、少しはいいところを見せなければいけないなあ、私のメイン対局も大丈夫かなあと悩んでいたが、そのためか出前の数を1個間違えるという失敗を。
 でも、「しゃきしゃきのマドンナ」が「(早水)千紗ちゃんと二人で分けるからいいわよ」と言って下さって事なきを得る。ホッ!
 
 さて、今回、リコー勢は菊田がよんどころない事情で参加できず、将棋が大好きな牧野も先約があって駄目、もちろん、野山や佐々木は遠くて来られる訳もないということで、かなり手薄だ。
 そこで午後から、真打ち瀬良の登場である。
 期待通り、手厚い指し回しで、貴重な白星を上げてくれた。
 「俺が負けたら、リコー全敗だと思ってたよ。ま、勝ったから言えるけどさ」とは彼らしいせりふ。
 これで、英春さんの年初からの30連勝をストップする。
 この頃、渡辺将棋部顧問(三愛社長)と、河津将棋部部長(理事)が相次いで登場した。
 お忙しいと思ってあまりご連絡してなかったせいもあるが、お二人が将棋部の集まりで揃ったのは何年ぶりだろう。
 英春さんを見にきたのか、将棋を指しにきたのか、私のマジックを見に来たのか、はたまた将棋部初の女性部員を見にきたのか?
 まあ、最後の理由でしょうね(^^)。
 
 さて、瀬良の後、1人部員が挑んでいるうちに、奈津子夫人(もちろん、NHKの読み上げの人です)と、団地で子供将棋教室を終えたばかりの藤森が現われた。彼も、白星が狙える一人だ。さっそく挑戦してもらう。
 この辺になると、トップアマの対決を見ようと、ギャラリーも増えてくる。
 また、レーティング戦の方も女性の人気が高く、勝手に2局指してしまう部員もいて、手合係の私は少々苦戦。
 藤森も苦戦の将棋だったが、英春さんが秒読みで間違え、貴重な2勝目を上げる。
 さすがはリコー将棋部である。
 これで主将の私が負けても、格好がつくというものだ。
 
 そんなところへ、本日の本当の真打ち、「将棋部のマドンナ」(本コーナー初登場!)こと、西川が登場する。
 たぶん、私以外の全員と初対面だったような気もするが、「昨日の小池さんの番組を見て感動しました」と、すぐ将棋部に溶け込んでしまうあたり、変わっているというか(^^;;)、さすがである。
 とりあえず、覚えたばかりの超初心者なので、王様と玉頭の歩三枚から教えることになった。
 もちろん、懇切丁寧に・・・。
 
 さて、私も手合係から対局者に変わる時間が来た。
 新年会の時間も迫っており、英春さんの提案で20分30秒になった(通常は採譜する将棋は30分30秒だが・・・)。
 英春さんと指すのもいつ以来だろう。ずいぶん久しぶりだ。
 後手番を引かされた私は考えていた立石流模様に組むが、やはり作戦負けに陥る。
 中盤うまく巻き返して捌いたつもりだが、金銀分断の弱点を衝かれ、あっという間に裸の王様に。
 観念していたが、英春さんの安全勝ちを目指した手が悪く、最後は体を入れ替えていた。
 これが記念すべき?英春さんの50敗目。でも、未だ勝率9割を確保しているものだから大したもの。
 結局、英春さんの5勝3敗で、リコー将棋部としては面目を十分に保った訳だ。
 「藤沢のマドンナ」からも「凄い将棋でしたね」のお褒めの言葉をいただいたが、詳細は3月3日発売の近代将棋で、英春さんの文章でお楽しみ下さい。棋譜も出るはずです。
 
 皆で後片付けをして、会館の前で英春さんがカメラを構えて記念写真。
 ところが、側から「私達が撮りましょうか」とのご夫妻の声が。
 ずいぶん親切な人だなと思ったら、何と早水プロのご両親だった。慌ててご挨拶する。
 「単騎突進のマドンナ」は、今日は振るわなかったようだが、わざわざリコー将棋部にまで修行に来る心意気は大したもの。強くなって欲しい。
 
 外部の女性軍3人は残念ながら帰ってしまったが、英春さんも含め、全員が新年会に向かう。
 約20名。新入部員の歓迎会も兼ねており、ゲストも豊富で、今までにない盛り上がりとなった。
 英春さんは今日の三強相手に最悪でも2勝1敗と踏んでいただろうが、3連敗はちょっと熱かったかもしれない。
 でも、新年会でも持ち前の明るさを発揮していた。
 何でも、リニューアルのため、近代将棋への掲載は最後になるとか。これも、何かの縁だろう。
 もちろん、「千人斬り」自体は続行するとのことで今後も頑張ってほしい。
 
 新年会を盛り上げたのは、やはり二人の新入部員の存在も大きい。
 初の女性部員である西川には、将棋部創設の立役者であり、リコーOBの槙より、「西川さんを歓迎する歌」が送られた。
 また、将棋部メーリングリストでも賑やかだった伊東は、実際に会ってみてもやっぱり賑やかだった(^^;;)。
 私の将棋部でのマジックデビューもまずまずの出来だった。
 「マジック界のマドンナ」(ネーミング初登場!)こと、小林恵子さんによると 、マジックは手品でなく、魔法と訳してほしいとのこと。小林さん、ぜひ一度、リコー将棋部に遊びに来て下さいね(^^)。
彼女が所属するマジックの会社「ウィザード・イン」でもホームページを開設したそうで、ぜひ一度、覗いて見て下さい。私は今、秋元正さんにマジックを習っています(^^)。
 この谷川マジックを職団戦で何か使えないかな(^^;;)と考えている。ライバルチームの皆さん、読んでますか?

 全日本選手権の打ち上げを終えて駆けつけた南、西田リポーター、吉中、そして、もう解散しているかも知れないのにぎりぎりに現れた牧野も揃い、約25名で部長の締めの挨拶を聞きながら、「今年のリコー将棋部はますます楽しく、面白くなるぞ」と、意を強くした主将だった。
  最後に、「将棋部のマドンナ」のコメントを載せておこう。
  「今までにない雰囲気の会で、とっても楽しかったです」 そう(^^)、のんびり頑張って下さいね。
 
 本当に最後に一言、「女性に将棋を広める」リコー将棋部では、夏の合宿も、大勢の女性将棋ファンの皆さんに参加していただきたいと考えています。
 女性であれば子供さんでも先輩の皆さんでも基本的に条件はありません。
 湯河原の杉の宿にて、本年7月の12、13(土日)か、20、21(連休)で考えています。
 会費は1万円+α、形式は冬合宿と同様で考えています。
 参加できそうな女性の方、ご質問は谷川(以下連絡先)までご連絡下さい。

  e-mail:tanigawa@cspd.ricoh.co.jp
  電 話:03−5411−4688(勤)

 部員一同、お待ちしています(^^)。
 
 (記:2月16日)
 
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