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イベント・レポート -0017-

リコー将棋部 96年夏合宿

…大らかに浮かれて…

月 日 :1996年8月
場 所 :神奈川県湯河原町鍛治屋 民宿「杉の宿」
リポータ:西田文太郎

目次

レポート
成績

レポート

 8月の土曜日、東名の下りは混むに決まっている。27キロの渋滞なんか平っちゃら。
 カーステレオでいつものZARDが歌っている。私の車は古いからこればかり聞こえる。
 海老名で一息ついて小田原へ向かう。厚木小田原道路はすいすい進んで来たのに、何やら変だ。インターチェンジの大きな橋で行列している。石橋料金所で渋滞しているらしい。
 日本がシンクロナイズドスイミングできれいだから家を出るのが遅れたのだ。1時に間 に合わなかったら不戦敗になってしまう。アメリカが10点満点の演技をするからいけないのだ。
 しかし、あれは見なければ一生の損だ。カナダも、ロシアもなんて女性は美しいんだ。

 読みの鋭い大友さんは車を使わずに、電車で来た。しかも混むから朝早いのに乗ったという。早起きは三文の得で湯河原のパチンコ荒らしをしていたそうだ。
 私は辛うじて間に合ったが椋木さんは惜しくも緒戦不戦敗になってしまった。きっと、椋木さんもシンクロナイズドスイミングに見とれていたのに違いない。

 1時から部会が始まる。
 小林幹事が数え間違えをメールで指摘されるほどの盛況でゲストも含めて54人集まった。将棋部過去最高だろう。
 田尻、藤原、菊田の3人がアマ名人戦の県代表になった明るいニュースから始まり、新加入メンバー・ゲスト・師範の紹介、「将棋を世界に広める会」の紹介などがある。


合宿風景(JPEG,72K)

 やがてA、B、Cの3クラスに分かれて各4局のスイス式対局が始まる。
 A、Bはそれぞれ16人で持ち時間20分、その後30秒。Cは秒読みの出来る時計の数が間に合わないから30分切れ負け。
 手合いを付ける谷川さんや南さんの声がかき消されるほどの賑やかさだ。

 私は、レーテイングが初めて2000点を越えてBクラスに紛れ込んだ。
 徳増「随分点数上がったね、中倉さんより上じゃない」
 西田「悪い血ばかり吸って上がったのと良い血ばかり吸って下がったの
    との違いは大きいよ」
 小川「俺たちが悪い血か。。。」

 結果的にBクラスの1位から4位の渋谷・大塚・小林・椋木さんに当たり1勝にとどまったけれど、内容的には結構肉薄できたのでまずまずかと思う。秒読みになると集中力が極端に落ちるという実力が遺憾なく発揮されてしまった。

 Aクラスは屋敷師範が珍しく順当に優勝された。
 現役プロのばりばりであるにも関わらずあまり手を抜かずに戦ってくれるのが有り難い。
 Bクラスは毎コミの渋谷さんが、Cは吉中さんが優勝。
 外人部隊が優勝してもちっとも驚かないし気にしない大らかな我が将棋部、それでも吉中さんが良い血を吸いすぎて手合い違いのCに紛れていなければここも藤森ジュニアが優勝しそうな勢いだった。(吉中×藤森jr

 宴会も大勢だと賑やかだ。
 小林幹事がわざわざメールで「舟盛りを頼むけど良いか」と聞いたのにだれ一人反応がなかったという。みんな大らかだからO157は自分たちには関係ないと思っているのだ。
 「杉の宿」が新装成って、味が落ちたのではという南さんのメールがあったけれど、酔っぱらいの舌には味の分かりようもない。
 昔のひっそりとした将棋部を知る庭野さんや大友さんは「これだけ大勢の人を引っ張るんだから谷川さんは大したもんだよ」と酔っぱらう。大友説によると40人を越えると大変なのだという。

 食後は指導将棋と連将棋。
 突然、指導する人が「花火を見たい」とわがままを言いだしたらしい。やはり思うことは言ってみるべきもので大らかな将棋部は開始時刻を遅らせることになった。夏の夜は将棋指すより花火花火。

 三人1チームで、一人が3手指して交代する連将棋トーナメントで、私は、密かに3連覇を狙う野山さんのチームになった。
 私と土肥さんはそんなこととは知りつつも、思いっきり足を引っ張り合って野山さんの「ギャア」とか「きゃ」という嬌声を引き出すことに成功した。
 「投了」と言いたくなくて「3手の粘り」を繰り返し野山さんの手番の時に討ち死に、2回戦敗退。
 本当は1回戦だってひどい将棋で相手がアルコール効果で時計を一瞬押し損なって「没落」をまぬがれたものだった。あちこちで悲鳴が上がったが、結局佐々木チームが優勝。

 朝、降りていくと常連の安宅さんが珍しく休みなのに今回も夜通し指していた人が三人ほど。「○、×」の表が盤の横に転がっている。槙さんと竹中さんは適当に○と×が散らばっているのに樋口さんは途中から×ばかり。そこを指さすと樋口さんはにこっと大らかな笑いを返す。
 新装「杉の宿」がチェックアウト時間を3時までと粋な計らいのため好き者たちが指している。
 藤森ジュニアの対局が一段落したときお父さんの
  「よし、海へ行こう」
 の声にジュニアの
  「海だ!」
 という大声にみんな大爆笑。そうそう、将棋より子供の夏は海だ海。

 そして誰もいなくなり気がついたら私と阿部兄弟だけだった。
 杉の宿のきれいどころと蝉の声を背に「強者どもが夢の跡」にSee you !

成績

Aクラスリーグ戦 成績表

No.氏 名RATING1回戦2回戦3回戦4回戦順位
1屋敷伸之 2518  9 ○ 5 ○ 4 ○ 3 ○4勝0敗1
2菊田裕司 2396 10 ○ 6 ×13 ○ 7 ○3勝1敗5
3野山知敬 2387 11 □ 8 ○ 6 ○ 1 ×3勝1敗2
4藤森 保 2378 12 ○15 ○ 1 × 8 ×2勝2敗6
5南 尚文 2362 13 ○ 1 ×15 ×11 ×1勝3敗12
6瀬良 司 2344 14 ○ 2 ○ 3 ×15 ○3勝1敗4
7佐々木修一2271 15 ×12 ○16 ○ 2 ×2勝2敗7
8谷川俊昭 2259 16 ○ 3 ×10 ○ 4 ○3勝1敗3
9牧野正紀 2226  1 ×13 ×12 ○16 ×1勝3敗14
10浜下哲夫 2207  2 ×14 ○ 8 ×13 ○2勝2敗10
11伊藤和幸 2150  3 ■16 ×14 ○ 5 ○2勝2敗11
12坂下裕水 2144  4 × 7 × 9 ×14 ○1勝3敗15
13藤原隆幸 2144  5 × 9 ○ 2 ×10 ×1勝3敗13
14ライエル 2100  6 ×10 ×11 ×12 ×0勝4敗16
15豊島 英 2100  7 ○ 4 × 5 ○ 6 ×2勝2敗8
16今野功司 2100  8 ×11 ○ 7 × 9 ○2勝2敗9

  対戦成績の欄は、対戦相手のNo.、及び、勝ち負け(○:勝、×:負、□:不戦勝、■:不戦敗、)を表します。

Bクラスリーグ戦 成績表

No.氏 名RATING1回戦2回戦3回戦4回戦順位
1椋木陽一郎2111 9 ■10 ×15 ○11 ○2勝2敗10
2小林寛史 2109 10 ○9 ×11 ○14 ○3勝1敗4
3渋谷茂樹 2100 11 ○12 ○14 ○7 ○4勝0敗1
4大塚康弘 2100 12 ×11 ×6 ×15 ×0勝4敗16
5庭野和郎 2076 13 ×15 ○12 ○16 ○3勝1敗5
6田中道夫 2076 14 ×16 ×4 ○12 ○2勝2敗11
7阿部 徹 2068 15 ○13 ○9 ○3 ×3勝1敗3
8樋口芳久 2052 16 ○14 ×13 ○9 ×2勝2敗7
9大友育夫 2037 1 □2 ○7 ×8 ○3勝1敗2
10木村健二 2034 2 ×1 ○16 ×13 ○2勝2敗9
11西田文太郎2023 3 ×4 ○2 ×1 ×1勝3敗14
12阿部俊一 1981 4 ○3 ×5 ×6 ×1勝3敗12
13則武祐二 1972 5 ○7 ×8 ×10 ×1勝3敗13
14中倉宏美 1970 6 ○8 ○3 ×2 ×2勝2敗6
15中倉彰子 1961 7 ×5 ×1 ×4 ○1勝3敗15
16竹中静雄 1960 8 ×6 ○10 ○5 ×2勝2敗8

  対戦成績の欄は、対戦相手のNo.、及び、勝ち負け(○:勝、×:負、□:不戦勝、■:不戦敗、)を表します。

Cクラスリーグ戦 成績表

No.氏 名RATING1回戦2回戦3回戦4回戦順位
1室井哲也 1951 11 ○7 ×13 ○12 ○3勝1敗3
2高田厚志 1950 12 ○8 ×7 ○15 ×2勝2敗8
3村越元雄 1950 13 ×16 ×17 ×18 ○1勝3敗20
4藤森Jr 1950 14 ○9 ○8 ×11 ○3勝1敗5
5長場誠治 1943 15 ○10 ×16 ○7 ×2勝2敗9
6槙 伸一 1936 16 ○13 ○10 ×21 ○3勝1敗4
7宮崎裕之 1922 17 ○1 ○2 ×5 ○3勝1敗6
8吉中勝則 1921 18 ○2 ○4 ○10 ○4勝0敗1
9池田芳人 1908 19 ○4 ×15 ×16 ×1勝3敗15
10鈴木祥充 1894 20 ○5 ○6 ○8 ×3勝1敗2
11伊藤 誠 1890 1 ×17 ○19 ○4 ×2勝2敗11
12矢口功次 1868 2 ×18 ○20 ○1 ×2勝2敗12
13里吉正夫 1861 3 ○6 ×1 ×17 ○2勝2敗13
14小川博義 1857 4 ×19 ×21 ×1勝3敗21
15宇田津隆三1840 5 ×21 ○9 ○2 ○3勝1敗7
16須田哲夫 1835 6 ×3 ○5 ×9 ○2勝2敗14
17斎藤正敏 1822 7 ×11 ×3 ○13 ×1勝3敗18
18今井 弘 1803 8 ×12 ×3 ×1勝3敗19
19徳増貴彦 1788 9 ×14 ○11 ×20 ×1勝3敗17
20豊岡寛司 1781 10 ×12 ×19 ○2勝2敗16
21土肥幸夫 1778 15 ×14 ○6 ×2勝2敗10

 対戦成績の欄は、対戦相手のNo.、及び、勝ち負け(○:勝、×:負、□:不戦勝、■:不戦敗、)を表します。


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