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特集 価値創造のCSR

特集 価値創造のCSR 社会貢献とビジネスの両立を目指して

未来に対して責任を持ち、持続可能な社会の発展に貢献するためにリコーの事業の強みを活かしながら、社会が直面する課題の解決に積極的に取り組んでいます。

現地調査を行ったインドのスラムで勉強する子供たち

世界のさまざまな課題解決を目指し、2000年に国連で採択されたミレニアム開発目標(MDGs)。リコーもこの目標達成に貢献できるよう活動を展開しています。今回は、2003年よりアフガニスタンで展開してきた社会貢献活動のその後と、新たな社会貢献プログラムの可能性の探索、さらに社会の課題解決に貢献するための社員の意識醸成や、部門を越えたプロジェクトの発足などについてご報告いたします。

復興支援から7年ビジネスとして成長した社会貢献

アフガニスタンでの活動のその後

リコーは、2007年の社会的責任経営報告書で「アフガニスタンにおける復興支援」について報告しました。これは、アフガニスタン出身の社員の"母国の再建"への思いに応えた販売会社NRGベネルクス(当時)が、自らの事業を活かして始めた社会貢献活動でした。戦争中に失われた学習教材のコピーに役立つと2003年以降、カブールの学校に150台の再生複写機を寄贈。2007年には、寄贈した機器の消耗品・サービスを確実に提供するために、販売・アフターサービス会社の設立を支援し、現地における雇用の創出、経済的自立を後押ししました。同国の社会的課題解決に寄与したこの活動は、政府や地域社会から高く評価され、ビジネスの拡大につながっています。
今後は、NGOやカブール大学と連携し、デジタルデバイド *への取り組みも検討しており、アフガニスタン復興へのさらなる貢献を果たしていきたいと考えています。

*デジタルデバイドとは、パソコンやインターネットなどのITを使いこなせる者と使いこなせない者の間に生じる、教育や雇用などの機会、貧富の格差など。

カブール市内の小学校にてカブール市内の小学校にて(2005年9月)。子どもたちの前で話すのは、支援活動を推進したNRGベネルクス(当時)の社員Mohammed Wasseli。
「学校にはそれまでコピー機がなかったので、その日は特別な日になりました」

アフガニスタン支援・事業の経緯

2003年

75台の再生複写機を学校に寄贈。サービス・販売体制を整備(4名のエンジニアを雇用)。複写機60台を販売。

2005年

追加で75台の再生複写機を寄贈。支援活動が評価され、政府機関、国連、NGOなどを中心にシェア拡大。

2007年

ナシュアテック・カブールが正式にリコーの代理店に。従業員17名、450台を販売し、カブール市内でのシェア60%に成長。

2008年

教育省に複写センター設置(14名を雇用)。他地域での販売も展開。

2009年

従業員が36名に拡大。

INTERVIEW
『社会から高い信頼を受ける会社で働けることは大きな誇りです』

コピー機と子どもたち。右端がNajeeb Ahmad氏コピー機と子どもたち。右端がNajeeb Ahmad氏

ナシュアテック・カブール社員
シニア・プロビンシャル・エンジニア Najeeb Ahmad氏

私は、ナシュアテック・カブールで2006年1月から働いています。ナシュアテックは、アフガニスタン全土で唯一コピー機の保守サービスを提供している会社です。
学校への寄付プロジェクトから始まった私たちの会社は、高い信頼を得ています。
政府や国連機関への販売も多く、地方の保守サービスのために国連の飛行機が使えるのも信頼を得ている結果だと考えています。治安状況の悪い地域のお客様にもできる限りサービスが提供できるよう工夫もしています。保守パーツをタイムリーに届けるなどの課題もありますが、この会社で働けることをとても誇りに思っています。

新たな可能性を求めて本業を活かした社会貢献プログラム案の探索

デジタルデバイド解消をテーマにしたダイアログの開催

リコーでは、アフガニスタンの活動事例のように社会的課題と自らの事業を結びつけたグローバルな社会貢献活動をさらに強化、推進していきたいと考えています。リコーの経営理念は「人と情報のかかわりの中で、世の中の役に立つ新しい価値を生み出し、提供し続ける」です。この経営理念に基づき、情報にかかわることができていないデジタルデバイド層へ、本業を活かして貢献することを検討しています。
幅広いステークホルダーの視点と意見を反映したリコーらしいプログラムを探るため、途上国の社会的課題に対し、活動実績を持つNGOや国際機関、およびデジタルデバイドに取り組む先進企業の方々をお招きし、ダイアログを開催しました。
リコーからは、経営戦略、技術開発、CSRなどの部署から責任者や社員が参加。ワールドカフェ方式 *でメンバーを入れ替えながら活発な議論を行いました。

*ワールドカフェ方式は、一定の時間で複数のテーブル間のメンバーを入れ替え、異なるメンバーと意見交換を繰り返していくもので、知識や知恵を高め合う会議手法の一つ。

ディスカッションの様子ディスカッションの様子

ダイアログに参加していただいた皆様:岩附由香氏(ACE)、梶英樹氏(セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン)、木山啓子氏(JEN)、高木美代子氏(ケア・インターナショナル ジャパン)、橋本笙子氏・山田千晶氏(ADRA Japan)、西郡俊哉氏(UNDP)、川嶋輝彦氏(日本IBM)、松原朋子氏(マイクロソフト)

多様な立場の人が専門性を活かし意見交換することで生まれた新しいプログラム

約3時間のディスカッションの中で、リコーが本業を活かして貢献できる課題の絞り込み、具体的なプログラム案の検討を行いました。最終的に「教員支援」「一村一品マーケティング・物流支援」「中小企業支援」の3つのプログラム案をまとめることができました。今後は、プログラムの実現に向けて、出席者の方々にフィードバックしながら、さらに検討を重ねていきます。

ダイアログ出席者の声

ACE 岩附様ACE 岩附様

●途上国の識字率が向上すると、デジタル機器を使える人が増えることにもつながります。教育分野はリコーの社会貢献プログラムの中でも、ひとつの可能性を探れる部分ではないでしょうか。

セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン 梶様セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン 梶様

●プログラム検討の初期段階でNGOの視点が入る取り組みは非常に新しいアプローチだと思いました。今後、現地での具体的協力方法など議論できればと思います。

JEN 木山様JEN 木山様

●ダイアログを通してリコーへの理解が深まりました。今回生まれたプログラム案の中には、現地のニーズに的確に応え、リコーの資源を有効活用できる独創性に富んだものがありました。ぜひ実施して欲しいと思います。

ケア・インターナショナル ジャパン 高木様ケア・インターナショナル ジャパン 高木様

●多様なステークホルダーとのコミュニケーションを重視し、経験や意見をシェアする方法は大変興味深かったです。このような過程を経てこそ、現地のニーズに即したプログラムの実現につながると思います。

UNDP 西郡様UNDP 西郡様

●ダイアログの中で生まれたプログラムを実際に必要としている国は多くあります。「小さくとも早いスタート("Small but Quick Start")」を念頭に、なるべく早く実行に移してほしいです。

ADRA Japan 橋本様ADRA Japan 橋本様

●様々なアクターがいる中で、多方面かつそれぞれの特性を活かしたプログラムを持つ必要があると感じます。今後、デジタルデバイドの問題点を更に掘り下げ、リコーの特性を活かしたプログラムになることを期待します。

ADRA Japan 山田様ADRA Japan 山田様

●リコーの製品、ネットワーク、技術力をどう生かし、またそこにNGOがどう協働し、活動を実施していくのかを考えるよい機会でした。プログラム案の今後の展開についても、ぜひ報告して欲しいです。

マイクロソフト 松原様マイクロソフト 松原様

●NGOと企業がひとつのテーマを対等に議論する機会はあまりありません。お互いの専門性を持ちより、意見交換し学び合いながら具体的なプログラムを検討するというアプローチが斬新でした。

日本IBM 川嶋様日本IBM 川嶋様

●今回出されたプログラム案をすぐに本格展開するのが難しければ、パイロット版でのスタートもいいかもしれません。ダイアログ参加は、自身の勉強にもなり、自社の取り組みにも役に立つヒントをたくさん頂きました。

出席者からいただいたダイアログの改善点

  • もう少し多様なNPO・NGOの皆様が参加されても、議論とアイデアに幅が出たようにも思います。
  • リコーとしてデジタルデバイドのために提供できるノウハウが何かを、もう少し明確に知りたかったです。
  • ダイアログを開催する目的が「社会貢献の現場レベルの困り事の把握(課題出し)」なのか、「具体的プログラムの提案」なのか、期待するゴールを絞り切れていなかったように感じました。

※いただいた改善点は、次回以降のダイアログ・議論の際に反映させていただきます。

未来に向けて動き出す社内の取り組み

世界の人口約68億人のうち約40億人が年間所得3,000ドル以下で生活しています。いま、BOP(Base of Pyramid)と呼ばれるこの層の貧困解消を目的に、社会と企業の持続可能な発展を目指すビジネスが、各地域で生まれています。リコーは現在、全世界に11万人を抱える多国籍企業です。グループの総合力を活かすことで、より積極的に社会的課題の解決に大きく貢献できると考えています。その第一歩として、2009年度は「CSRワークショップ」「志チームによるBOPビジネス検討」「インドでの調査活動」などが、具体的な取り組みとしてスタートしました。

社員一人ひとりの認識が、新しい原動力へ社会的課題を啓発するCSRワークショップ

BOP有志検討会BOP有志検討会

事業を通して社会の課題を解決するためには、社員の意識が重要です。すでに意識の高い社員には、途上国の現状や課題の本質を学ぶ場として、定期的にBOP有志検討会を行っています。また、社員の意識醸成のために、積極的に色々な部署で、CSR勉強会を行っています。勉強会で行うCSRワークショップでは、社会の課題についての深堀や解決方法を検討することで、社員自身が気づきを得、自発的な取り組みに繋がるようにしています。さらに多くの社員に社会的課題解決の重要性を伝えるために、スタンドアップキャンペーンにも参加しました *。

* 詳細は リコーグループの社会貢献活動をご覧ください。

INTERVIEW
偶然参加した「CSRワークショップ」で受けたショックと気付き。
それが、いま私が新たに取り組む技術開発の出発点です。

コントローラー開発本部 開発戦略センター 開発戦略室 福田 道隆コントローラー開発本部
開発戦略センター
開発戦略室
福田 道隆

コントローラー開発本部
開発戦略センター 開発戦略室 福田 道隆

社会的課題を解決するアイデアが 1文字も書けなかった驚き

私は、定期的に開かれている社員勉強会に出席していますが、そこで偶然"CSR"を学ぶ機会がありました。CSR全体の説明があった後、ワークショップに参加しグループ討議を行いました。貧困などの地球規模の社会的課題に対して、リコーが本業を活かして何ができるかを改めて問われた時、1文字もアイデアが書けなかったのです。この経験はとてもショックであり、同時に"頭で理解しているだけではだめ"という気づきを私に与えてくれました。

部内のコンテスト参加で、 より身近になったCSR

この体験が出発点になり、徐々に社会貢献と企業の利益創出という考え方に共感できるようになりました。すぐに仕事で活かす機会はありませんでしたが、数カ月経った時、コントローラー開発本部で開かれたユーザーインターフェース開発のコンテストに参加。以前CSR勉強会で学んだ課題の中から「教育」をテーマに選びました。そして複合機を利用し、先進国でも途上国でも提供できる教育サービスの仕組みをつくり優勝しました。

社会にベクトルを向けて 新しい技術開発に取り組みたい

いま、将来の事業計画に関わる中で、新しい技術開発に取り組んでいますが、リコーは潜在的な力(企画・開発・製造・販売まで一貫して行えるというバリューチェーン)を活かすことで、社会に新しい価値を提供できるはずです。私は自らが携わるコントローラー開発の仕事の中で、CSRの視点を入れた提案をしていきたいと考えています。

部門を越えて自主的に結成BOPビジネスの可能性を探る"志チーム"

2008年10月、社会的課題への取り組みやBOP市場でのビジネスチャンスの可能性について、考え行動する「志チーム」を発足。これは、人のつながりを通じて集まった社員6人の"志"が響きあい、自主的に立ち上げたものです。チームメンバーは、新規事業戦略部門、新規技術戦略部門、CSR部門から構成され、NGOや海外青年協力隊を経験した社員が含まれています。志チームのこだわりは、事業の対象を先進国としてきた従来の固定概念を捨て、対象とする国/地域の風土とコミュニティーで、本当に必要とされている商品やサービスを見つけるために、現地の人と一緒に解決策を検討することです。2009年度はその第1ステップとして、途上国の真の"困りごと"と"ニーズ"を把握するための市場調査に向けて、情報の収集、連携パートナー探しを進めてきました。

BOPビジネスの立ち上げに向けた活動ステップ

BOPビジネスの立ち上げに向けた活動ステップ

BOPビジネスの可能性は、まず現地からインドでの調査活動

2010年3月に第1回目の調査をインドで実施しました。インド人口の70%が農村地域に暮らし、その多くが低所得層だといわれています。訪れたのはインド北部の中都市・マトゥラの近くにある農村。現地では、教育現場や農村の起業家を訪ね、話を伺いました。
今回の調査で、BOPビジネスを進めるためには、現地の状況を肌で感じ、その社会に住む人々と一緒に真の課題を見つけ出し解決することが大切であると再認識しました。また、個人、国、企業の枠組みを超え、社会全体が豊かになるための取り組みと、企業の持続可能性とをどのように結び付けるかが重要なポイントという気付きも得られました。リコーでは、今後も現地の声を聞きながら、ミレニアム開発目標に掲げられている課題解決への貢献を目指し、現地の人々と一緒に商品・サービスの検討を進めていく予定です。

農村の子どもたちに家族の様子も聞きました農村の子どもたちに家族の様子も聞きました

農村の起業家に話を聞くリコー社員(右)農村の起業家に話を聞くリコー社員(右)

一企業で解決することは難しい世界中の社会的課題も、多くのパートナーと手を取り合うことで、解決に近づくと考えます。リコーもステークホルダーの皆様のご意見を伺い連携しながら、持続可能な社会の発展のために積極的に取り組んでいきたいと思います。